目やにが出る猫の病気


目やには結膜の炎症により出ます。

結膜はまぶたの裏から白目までを覆う粘膜で、細菌や異物から目を守っています。

結膜の炎症が起きると、猫は目をしきりに気にするようになります。

前の足で目をかく仕草をすることから、かゆみを感じています。

酷い結膜炎ではまぶたが腫れて、目が開かなくなることもあります。



結膜炎

ウイルス性、細菌性、クラミジア、猫同士の喧嘩での外傷などが原因として考えられます。

目やにの色は細菌感染を起こしているか否かを判断する材料になります。

黄色の目やには、白血球の死骸であり、結膜に細菌が感染してることを意味します。



猫伝染性鼻気管炎

ヘルペスウィルスによる伝染病です。

ウィルスは結膜や鼻の中の粘膜で増殖して炎症を起こさせます。

目やにと鼻水が同時に起きることが多く、ワクチンを接種していない猫や子猫に見られます。

結膜炎は両方の目に起こることが普通で、通常1週間ほどで猫は回復しますが、悪化すると角膜炎を起こすこともあるので早期の治療が必要です。



クラミジア感染

片目だけの結膜炎が起きた場合に疑わしい病気です。

目やにも黄色で結膜がひどく腫れることがあります。

クラミジアにはクロラムフェニコールやテトラサイクリンといった特定の抗生物質しか効果がありませんので、治療しながら判断することになります。

再発する危険度が高く、2~3週間目薬を使用します。

クラミジアは細菌に近い病原体ですが、結膜の細胞の中に入ってしまうので、抗生物質が効きにくいのも特徴の1つです。



マイコプラズマ性結膜炎

マイコプラズマは結膜浮腫、結膜充血、流涙が見られます。

鼻腔や結膜に共生菌として存在しています。



外傷性結膜炎

複数の猫がいる環境で飼育されている場合、猫同士が爪で相手の顔を傷つけてしまうことがあります。

その時、結膜にできた傷に、爪の細菌が感染して、結膜が腫れて目やにが出ることがあります。

この場合、飼い主が現場を見ていなければ判断ができず、原因がわからないことがあります。

抗生物質の点眼が有効ですが、複数の猫を飼っている場合、再発する可能性が高いです。



アレルギー性結膜炎

結膜には異物に対して反応する免疫組織であるリンパ組織が存在します。

ハウスダストなどの異物が付着すると炎症を起こします。

かゆみ、流涙、目やにが出ますので、目の変化に気をつけてください。

目そのものに何か不具合が起きることもあります。

飼い主さんは、猫の普段と違った仕草から異常を感じ取らなくてはなりません。

目を押し当てて寝る仕草は、眼球の内圧が上がっている猫に観察されることがあります。

緑内障や眼球内の腫瘍で眼内圧が上がり、猫は違和感を覚えます。

視力障害がある猫は時々、悪い方の目の体側を物にぶつけます。

左右の瞳孔の開き具合が違って見えたり、明るいところで片方の目だけ瞳の中が違って見える場合、虹彩に何か炎症が起きている可能性があります。

虹彩の炎症が起きると目の色に変化が現れます。

虹彩の色が薄い猫ほどわかりやすく、発見を早いので早期治療が望めます。



くしゃみをする猫の病気


猫のくしゃみの原因のほとんどが鼻炎です。

ですが鼻炎でなく、くしゃみをしていた場合は、気管支炎の症状である咳の前兆として、くしゃみが出ることが考えられます。

また、クラミジアやヘルペスウィルスが起こす結膜炎で、涙の量が増えるとくしゃみを出します。

慢性鼻炎や副鼻腔炎を発症している猫は、鼻の粘膜が外的な刺激に対して感受性が高く、窓から外の冷たい空気を吸ったことが刺激となって、連続したくしゃみが出ることがあります。

また、部屋のホコリやダニなどでもくしゃみの原因になります。

新しい家具の匂いを嗅いでいて、発作的なくしゃみをする猫もいます。

お香やハーブなど刺激のある匂いに対して、くしゃみに加えて涙を流す場合があります。

猫のくしゃみを見て動物病院へ連れて行こうと思う人が少ないのが現実です。

しかし、くしゃみが重大な病気の前兆や初期症状として現れているのなら、その原因となると病気を早く突き止めて治療を行うことが大切です。



くしゃみによる観察ポイント

・くしゃみを1日に何度もしている
・単発のくしゃみ
・連続のくしゃみ
・くしゃみが出る時間帯が決まっている
・水を飲むときにくしゃみをする
・食事の時にくしゃみをする
・三種混合ワクチンを定期的に接種している
・鼻汁が出ている
・食欲
・運動低下
・涙が出ている
・目の結膜
・新しい家具を買った
・部屋の壁紙を張り替えた
・咳をしている
・熱がある
・アロマを置いてある
・ローズマリーなどハーブを飾っている
・複数の猫がいる
・新しい猫が来た
・外を自由に出入りしている
・飼い主が他の猫を触ったり抱っこした


くしゃみや鼻汁を主症状とする病気について、それぞれ次の通りになります。



猫ヘルペスウィルス感染症


『感染源』
感染している猫のくしゃみや鼻汁との接触が感染源となります。

症状は無症状ですので、ヘルペスウィルスを持っている猫だと、外見で判断することはできません。

感染している猫は体に何らかのストレスが加わると、ヘルペスウィルスを排泄するようになります。

子猫の感染源で最も多いのが母親です。

母親は妊娠、出産のストレスによってウィルスを排泄するようになります。

子猫は子宮内感染、授乳中に母親から感染する確率が高まります。


『感染経路』
猫同士の舐め合いや毛づくろいし合う事で、ヘルペスウィルスと濃厚な接触感染になります。

同じ食器からの食事や飲水がヘルペスウィルスに感染します。

感染の広がりは環境によって様々だと考えられます。

猫や子猫の飼育密度が高ければ感染するリスクが高くなります。

ヘルペスウィルスに感染した猫と接触することで、人間が間接的に猫へ感染することがあり、主に手、洋服、遊び道具などでヘルペスウィルスに感染します。

伝染病に感染する健康状態
猫の栄養状態で伝染病にかかるリスクを大きく左右します。

猫が携わる場所へアルコール消毒の徹底が、感染のリスクを軽減させます。


『症状』
くしゃみから始まり、鼻汁を伴う鼻炎が見られます。

鼻汁はサラサラした透明なものから、黄色い粘膜を持った鼻汁になっていきます。

鼻汁が出なくなると鼻が詰まり、鼻で息ができなくなることで、口を開けて息をするようになります。

この時期に肺炎を併発すると、死亡する確率が高くなります。

ヘルペスウィルスが角膜に及べば角膜潰瘍を起こします。

慢性鼻炎と副鼻腔炎(蓄膿症)はヘルペスウィルスが感染すると、鼻粘膜に重大な障害を起こします。

鼻粘膜が傷つくと鼻道に細菌感染が起こりやすくなります。

また、鼻介骨が縮んでしまったり、涙菅が狭くなり閉鎖してしまう症状もあります。

さらに進むと病変は気管、気管支にも及びます。


『治療』
二次感染予防のため、抗生物質を投与します。

全身の症状に応じて点滴や栄養補給を行います。

角膜潰瘍には抗ヘルペスの目薬を投与します。


『予防』
ワクチン接種で予防します。



猫カリシウィルス感染症

口腔と舌に水泡ができるのが特徴です。


『感染』
カリシウィルス猫や発症している猫の唾液に、高い濃度のウィルスが存在しています。

涙、鼻汁からウィルスが感染します。


『感染経路』
感染経路は口腔、咽頭、鼻腔、舌、唇の粘膜にウィルスは侵入していきます。



猫クラミジア性

猫ウィルス性上部呼吸器症感染と同じ症状で区別がつきにくく、症状としてくしゃみが感染初期に見られます。

生後5週~3ヶ月の子猫に感染することが多く、感染から回復しても再感染を繰り返します。

クラミジアに感染している母猫から生まれた猫や、感染猫のいる家庭で生まれた猫に、新生児結膜炎になることが多々あります。

感染は目やにと鼻汁との接触、そして一番怖いのが空気感染です。



クリプトコッカス症

クリプトコッカスは全年齢の猫に発症します。

病気は長期にわたり局所的な鼻腔疾患を持つ猫は、鼻以外の部分は健康的に見えます。

症状はくしゃみ、鼻づまり、どろっとした鼻汁が出ます。

さらに病気が続くと鼻腔病変はその周囲も傷害してしまい、肌の側面、眼球周辺の頭蓋骨、鼻の変形が起こり、顔の変形が引き起こされます。

中枢神経に病変が及べば、全身性の運動失調や痙攣が起こります。

目に病変が出る場合は、網膜に菌が蓄積されて、網膜が持ち上げられてしまいます。


『感染』
クリプトコッカス感染菌が鼻腔内に入ることから引き起こされると考えられています。


『治療』
抗真菌剤の投与をしますが、再発することがある病気です。



鼻咽頭ポリープ

鼻咽頭ポリープは若い年齢の猫に起こることの多い病気です。

鼻腔頭ポリープは耳間、鼓膜胞に発生し、鼻汁、くしゃみ、咳をします。

食事の時に嘔吐しそうな込み上げる姿を見ることがあります。

耳垢があるのが特徴です。


『治療』
外科的手術をします。



良性鼻腔内腫瘍

10歳以上の高齢猫に見られ、鼻汁、くしゃみ、鼻血、鼻の変形を引き起こします。



鼻の癌

くしゃみ、鼻づまりがあり、鼻汁の排泄は片側だけのことが多く、鼻出血が認められるのは多くはありません。

猫の毛づくろいの最中やキャットフードを食べているときに、鼻づまりの影響で鼻音や呼吸が苦しくなってしまいます。

癌が進行すると顔面の変形が見られます。


『治療』
抗ガン剤治療を行います。



鼻のリンパ種

鼻汁、呼吸困難、鼻出血、いびき、顔の変形、食欲不振などの症状が認められています。



涙の分泌量

くしゃみをすると鼻の病気を疑いがちですが、そうでないこともあります。

涙の分泌が何らかの原因で盛んになると、涙は涙管を通して鼻腔内に流れ込みます。

涙は少量ずつ鼻腔に流れ込んでいるので、鼻の穴から流れ出たりする事は通常ありません。

しかし、その量が多くなると、猫は鼻の中の涙をくしゃみにして出します。

人間の場合、泣きながらくしゃみをする事はありません。

鼻水が溜まった場合、テッシュでかんがり、すすったりします。

ですが猫はその両方ともできませんので、鼻の中に溜まった涙を外に出すため、くしゃみと言う手段を選びます。

涙の分泌が盛んになる場合、考えられる病気に結膜炎があります。

クラミジア性結膜炎やアレルギー性結膜炎、喧嘩により目の周りをひっかかれて涙が出ることもあります。

このような猫のくしゃみに伴う鼻水はサラサラで透明です。

鼻炎が起きていないため鼻づまりもなく、猫は食欲も維持していることがほとんどです。


『治療』
涙の分泌過多の原因を判断します。

結膜炎があればその治療をします。

もし刺激性のある部室で涙が出ているようなら、その原因を取り除きます。

家庭では芳香剤やお香、アロマなどの気化性の物質が猫の結膜を刺激することがあります。



嘔吐をする猫の病気



猫の嘔吐はもっともよく見られる症状の1つで、様々な症状がありますので、飼い主さんはいち早く気付いて初期段階での治療を心掛けてください。

嘔吐は呼吸に使う筋肉と腹部の筋肉が収縮して起きる症状です。

吐き気、脱力感、疲労感、めまい、顔色が悪い、唾液がたくさん出る、冷や汗などから始まって、胃の内容物が口から外へ反射的に出されます。

嘔吐は脳幹にある嘔吐中枢が刺激されて起きます。



嘔吐の原因

・ストレス
・恐怖
・興奮
・乗り物酔い
・尿毒症
・薬物
・細菌
・扁桃炎
・フィラリア症
・尿管
・膀胱の痛み

一言で嘔吐といっても、その嘔吐と言う症状を起こしている原因は様々です。

ですので猫が吐いているから胃が悪いと単純に考えるのはとても危険です。

もちろん胃腸疾患の場合もありますが、胃腸とは全く別な病気から起こることもあります。

また、嘔吐でも悪心でない嘔吐があります。

猫が勢い良くいの内容物を吐き出すのですが、これは嘔吐と区別して吐き出したといいます。

実際に猫が嘔吐を起こした場合に、どのようなことを気をつけて観察するのか、次の観察ポイントをチェックしてください。


『食べ物の確認』
いつもと違う食べ物を食べていないかの確認


『毒物』
観葉植物、殺虫剤、化学物質など


『異物への接触』
ビニール類、ヒモ類、針、豆電池



体の症状

元気で食欲もあった猫が急に嘔吐する急性嘔吐、元気で食欲もあるが1日に数回から1週間に1回ほど嘔吐している慢性嘔吐、病気治療中の猫の悪心を伴う嘔吐などがあります。

さらに確認することがあります。
・嘔吐の回数
・嘔吐の長さ
・嘔吐する時間
・嘔吐後の食欲
・嘔吐後は元気か?

嘔吐した後いつもと変わりないのか、それとも苦しそうにしているのかなどを確認します。



嘔吐の治療

それぞれの原因に対する治療をすることが第一優先になります。

しかし、原因をすぐに診断することは難しく、確定診断がおりるまでの間、嘔吐による脱水や電解質の異常が起きていれば、対処療法を行うことが重要です。



急性胃炎

原因で最も多いのは腐った肉を食べたことです。

他にも観葉植物は、胃粘膜に対する物理的な刺激の原因となり、胃腸に害を及ぼします。

急性胃炎は突然の嘔吐から始まり、食べた物を吐き出そうとして何度も嘔吐をします。

吐いたものには、食物、胃液などの液体など、原因となったものが吐き出されます。

激しい嘔吐では血が混じることもあります。

急性胃炎の場合、ほとんどの病気の原因は、嘔吐することで自然に治ります。

『治療』
治療は12時間、食事を与えないことです。

脱水症状があれば水分不足を補うため補液をします。



慢性胃炎

胃粘膜の障害原因に繰り返し接触することで、1日に数回から1週間に1~2回の嘔吐が見られます。

食事では食べたり食べなかったりと食欲が安定しません。

この場合に気をつけたいのは、今の食事に飽きたから別のキャットフードを食べたいと思っているので、今ここにあるキャットフードは食べないと猫が考えていると判断する飼い主の思い込みです。

慢性胃炎の食欲不振を見過ごしてしまう危険性があります。

慢性胃炎が数週間から数ヶ月続くと、体重の減少、重症例では低タンパク白血症となります。

『原因』
市販のキャットフードの添加物成分、化学的化合物、薬物、口から入る可能性のあらゆる物質が原因です。

『治療』
原因を特定して治療することが必要になりますが、原因を特定することは困難なことが多いです。

そこで猫が今まで一度も口にしたことがない、獣医師が処方するキャットフードを与えることです。

また、食事の回数を増やして、1回に与える量を今までより少なめにすることで、胃の負担を軽減させる治療を行います。

胃炎と同時に小腸が障害されると、下痢や腹痛を伴う胃腸炎が起こります。



胃潰瘍

胃酸が分泌されていますので、粘膜のただれが続き深くなると、その場所に潰瘍が形成されます。

胃潰瘍のある猫の嘔吐は、真っ赤な新鮮な血をそのまま、もしくは血の混じった黄色い胃液を吐きます。

頻繁に嘔吐されることが認められています。

胃潰瘍のある猫は、食欲がなくなり、元気もなく、胃の痛みからうずくまる姿勢をとります。

『原因』
病気の治療のため、内服薬の投与を長期間受けている場合や慢性胃炎を起こしている猫、腎不全の猫の場合は尿毒症性物質が胃粘膜を傷つけてしまい出血を伴います。

『治療』
根本の原因を治療することが第一です。

嘔吐に対する対症療法に準じて治療します。

潰瘍は出血を伴っていますので、貧血の検査を行います。

胃潰瘍の治療には、胃酸の分泌を低下させ、胃粘膜の修復を促す薬や胃粘膜を保護する薬などを投与します。



異物による嘔吐

食べ物でないものを誤って食べてしまったときに引き起こされる嘔吐です。

猫が好んで食べる猫草もたくさん食べると、嘔吐することがよく見られます。

また、セロハンテープやヒモ類、猫のおもちゃなどを口で噛みながら遊んでいる間に、何らかの拍子に飲み込んでしまうことがあります。

異物が胃粘膜を傷をつけて、嘔吐を引き起こします。

嘔吐することで異物が排出できれば問題ありませんが、異物の中で危険なものとして、釣り糸のついた針、刺繍糸のついた縫い針、糸のついたボタンなど、糸の食感を好む猫が糸を噛んでいる間に、その先についている針までも飲み込んでしまうことがあります。

この場合は嘔吐と食欲不振が認められます。

また、常に口から唾液や泡を出ている状態で、頭を振りながら異物を出そうとする仕草を繰り返します。

糸状のものを飲み込むと、閉鎖性腸閉塞になる可能性があり、猫は繰り返し激しい嘔吐します。

また、片方の糸が舌に絡まり、もう一方の糸が腸に絡むことで死に至り命に関わってきます。

『治療』
異物が嘔吐もしくは便として排泄されるようであれば、自然に排泄されるのを待ちます。

しかし、明らかに自然に排泄されないことがわかれば、外科的切除にて取り出します。

胃の内容物が何であるかは、飼い主さんが自分の家の中で紛失したものに、いち早く気づくことが発見の決めてとなります。

診断にあたり、レントゲン検査やバリュウム検査を行うことが一般的ですが、これらの検査で全ての診断できるわけではありません。

『予防』
猫が誤って食べてしまうような異物を目に届かない場所に管理することが大切です。

若い猫は好奇心が旺盛ですので、特に注意が必要です。



幽門狭窄

胃の出口である幽門部分が狭くなったり、正常に開く動きができない状態である幽門機能不全があると、食道から入った食べ物が胃の中に入り、その内容物が胃から出て十二指腸へ流れにくい状態を起こします。

幽門狭窄の猫は慢性の嘔吐及び胃拡張が見られます。

1歳以下の猫に多く見られ、食後30分位で勢い良く吐く場合や、数時間経って嘔吐するなど、嘔吐の感覚は様々です。

『治療』
外科的な手術で治療をします。

幽門部が病気によって狭くなっている原因が腫瘍があれば、外科手術を行った上で病理診断の上、治療方針を立てることになります。



胃の腫瘍

胃の悪性腫瘍の場合は、嘔吐とともに食欲不振、体重の減少、衰弱が認められます。

嘔吐物は食べたもの、胃液、血液の混じった内容物などです。

『原因』
リンパ肉腫が原因になります。

『治療』
病変により外科手術、化学療法などを行います。



機能性胃炎

胃の正常な動きが突然止まってしまう病気です。

原因はなかなか特定することができません。

嘔吐物は未消化のキャットフードがそのままの形で見られることが多く、嘔吐はじめは普段通りに見えますが、病状が現れるとキャットフードを出しても食べることができません。

『原因』
極度のストレス、自然環境によるストレス、胃自体に病気があって発病することがあります。

『治療』
水溶性の流動食を少量ずつ与えてみたり、胃の運動を正常化する薬剤の投与が一般的な治療となります。



炎症性胃腸炎

炎症性細胞であるリンパ球、好酸球、好中球が消化管粘膜に浸透して起こす腸炎です。

食欲の不振があまり無い慢性の嘔吐が見られます。

飼い主は猫が元気で、食欲はあるけれど、繰り返す嘔吐はなんとなく気になっている状態が多いです。

猫の嘔吐は毛玉を吐くためだと誤解している人がとても多いです。

『原因』
食物アレルギー、免疫介在性、感染症など炎症性腸炎に似た症状があります。

『治療』
内科的薬物療法として投薬後、数日から1週間で症状が改善されれば原因となる病原菌が死滅されて回復へ向かっていることが確認できます。

獣医師指導の徹底した食事療法を行います。

この病気は完治を望むと言うよりかは、いかに病気をコントロールできるかにかかっています。

食事管理において猫が好んで食べるか、食べないかは特に問題ではありません。



猫汎白血球減少症

ワクチン接種により予防できる伝染病です。

『原因』
原因は猫パルボウィルスで、猫の便と一緒に多数排泄されます。

感染経路はパルボウィルスを含む便を食べてしまうことが考えられます。

『症状』
ウィルスに接触後、数日で食欲の低下、持続的嘔吐、発熱、その後下痢が始まります。

血液検査により、白血球減少が認められます。

『治療』
対象療法として、輸血による体液と電解質の補正、二次感染の予防を行います。

子猫の場合は致死率が高い伝染病です。



便秘

トイレで排便しながら嘔吐が見られることがあります。

食欲はあるので、食べては吐く、食べては吐くを繰り返すことがあります。

『原因』
キャットフードの内容、猫のトイレの汚れや、猫のトイレ素材が不適切なことでストレスが蓄積されて便秘になることがあります。

『治療』
浣腸をします。

獣医師によるキャットフードの選択等で便を改善していきます。

原因が病気、事故の場合は、その原因を解決して便秘は解消します。



肝脂肪

肝細胞に中性脂肪が蓄積され、肥満の猫、肥満だった猫、栄養不良の痩せた猫など、肥満が原因とは限りません。

食欲の不安定が嘔吐として認められています。

『治療』
肝機能の回復できる薬剤の投与をします。



肝性脳症

ショック状態で意識がはっきりせず、ヨダレが出ている状態や発作を伴う嘔吐で、肝硬変など肝臓の病気が重症になってしまうとアンモニアを分解できず、中枢神経症状を引き起こします。



門脈体循環シャント

先天的、後天的な肝臓の血管の異常で、高アンモニア血症、中枢神経症状としてヨダレを流し、歩行困難、けいれん発作、発育不良、食欲がない状態で嘔吐が見られます。

治療は外科手術、程度によっては内科的治療を行います。



中毒

猫は中毒を起こしやすい動物です。

中毒を起こす原因の中でも、初期症状に嘔吐が現れるものがあります。

その後の症状は、消化器症状として下痢で済むものから、重症例では死亡する物質まで含まれています。

ですから大切な事は猫に中毒を起こす化学物質等は、少なくとも猫の暮らす環境には入れないように管理の徹底がとても大切です。

タバコのニコチンはヨダレと嘔吐を発症する可能性が高く危険です。

ヒアシンス、スイセン、アヤメ、アゼリア、月桂樹などの観葉植物をあさってしまい、細菌が口から入り、嘔吐、下痢が始まります。

新築の家やリフォームした家で、壁紙の張り替えで使用される接着剤の化学物質は、激しい嘔吐、食事を取らなくなる場合があります。

接着剤等で使われるシンナー系のものは、激しい嘔吐等と同時に出血を伴うことがあります。

アセトアミノフェンは摂取すると嘔吐、ヨダレ、チアノーゼを起こします。

人間では一般的に消炎、鎮痛剤としてよく使われる薬剤ですが、猫は赤血球を壊し、メトヘモグロビン血症、ハインツ小体容血性貧血を起こします。

猫に使用するのはとても危険ですので注意が必要です。

『治療』
猫が暮らす環境から今すぐに原因となる物質を排除する必要があります。

排除ができなければ、猫をその場所から遠ざける必要があります。

そして再度接触しないよう気をつけることが大事です。



尿毒症

尿毒症物質である血中尿素窒素が上昇する病気です。

尿毒症になると食欲がなくなり嘔吐が始まります。

急性腎不全の場合、その治療が速やかに行われ尿毒症が改善されれば回復します。

オス猫に起こることが多い尿道閉鎖の場合、治療がうまく行き 閉鎖が解除された時点で腎臓の障害が大きくなければ尿毒症は改善されます。

慢性腎不全の場合は、繰り返す嘔吐と尿毒症末期に差し掛かった頃に認められます。



喘息

咳が主症状ですが、猫の咳は嘔吐ととてもよく似ています。

特徴としては、朝方に咳き込みます。

頻度は1ヵ月に1回程度から、週に1回、ひどければ毎日と言うことになります。

咳をしてる様子は確認できないこともあるのですが、飼い主が朝起きると泡状の液体を吐いた跡、毛の混じった胃液の吐いた跡を見つけることがあります。

そのような状態でも食欲があり、元気もありますが、喘息の発作は呼吸困難から死に至ることがあります。

『原因』
排気ガス、タバコ、スプレー、ホコリ、食事などがあります。

『治療』
猫のいる環境でタバコは吸わないこと。

空気清浄機で部屋の中をクリーンにすることも大切です。

いち早く病状を知って、内科療法することが大切です。

喘息は初期診断が重要で、完治する場合もあります。

完治が望めなくても、薬剤でコントロールしていく病気です。



膀胱炎

排尿後の残尿感や尿意が強いため、本人が耐えられないような強い痛み、または苦痛を伴う極端な頻尿となった状態になると嘔吐を起こします。

トイレに嘔吐物がある場合、飼い主は家の猫は部屋を汚さないようにトイレに行って吐いている。

と猫のきれい好きを褒めることがあります。

しかし、実際はトイレで残尿感や痛みを伴うしぶりのために、嘔吐していることを考えて獣医に必ず相談してください。

『原因』
部屋の中が暑かったり寒かったりする温度差が原因で起きることがあります。



以上が猫が嘔吐する病気の症状になります。



体を触ると嫌がる猫の病気


どこか具合の悪いとき、猫は触られるのを嫌います。

触られるのを避けるために、部屋の角に潜り込んで姿を隠したり、高いところへ登ったまま降りてこないこともがあります。

普段から触られるのを嫌がる猫では判断できません。

猫を触るとき猫の痛い部分を触ってしまい、いつもは穏やかな猫なのに噛みつかれてしまうことがあります。

突然噛みつかれた飼い主はショックを受けますが、猫が嫌がっているのか、痛がってることを見極める必要があります。



外出する猫

外に出て行く猫は、アクシデントに合うことが多くなります。

事故もその一つです。

猫の背の高さは車の車体よりずっと低く、猫の視界では走ってくる車を捉える事は非常に困難です。

また、猫は自分のテリトリー内では、車道など関係なく広げていきますので、テリトリーの中に車の通り道があっても、行ったり来たりしている間に事故に遭う確率は高くなります。

また、自転車やバイクに引かれてしまう可能性があります。

車の入れない細い路地にもバイクや自電車が走行していきます。

命が助かった猫でも事故に遭うと、手足の骨折、胸部の骨折、骨盤の骨折など衝撃のあった場所の骨が折れます。



猫同士の喧嘩

オス猫同士の縄張り争いは喧嘩に発展します。

猫の噛み傷やひっかき傷は、傷を負った直後に毛がごっそりと抜け落ちない限り、目立たないことがあります。

数日経って傷が膿んでくると痛みが出てきます。



高層住宅からの落下

ベランダの柵に飛び乗った猫が、何かに驚いて落下してしまうことがあります。

窓枠に飛んでいる虫に気を取られて落下してしまう事故もあります。

運良く命が助かった猫でも、手足の骨折、胸の骨折など衝撃を受けた場所に骨折をする可能性あります。



排尿障害

オス猫の排尿障害は膀胱の膨張で、飼い主が触ろうとすると威嚇しながら嫌がります。

猫が体を触られることを嫌がる時、体のどこかに異常があると察知して獣医の受診をしてください。



痛みのある猫の行動

・不安げに泣いている
・部屋の隅っこに行きたがる
・いつもは暖かい部屋にいる猫が、冷たい場所にうずくまっている
・座ったまま動かない
・興奮している
・沈鬱に見える
・食欲がない
・発熱している
・元気がない
・目に力がない
・まぶたが半分閉じている
・体のある部分を舐めたあと身動きが止まる
・被毛が濡れている
・毛がごっそり抜けている
・体が汚れている
・トイレで悲鳴をあげている
・トイレに踏ん張っているが何も出てこない
・トイレ中、排便姿勢をとっている
・トイレで嘔吐をした



長毛で毛玉のできている猫

長毛の猫は自分自身で毛づくろいができません。

全身のをブラッシングされることを好む猫であれば問題がないのですが、ブラッシングされることを嫌う猫の場合は重大なケガがある可能性が隠れています。

被毛は毎日抜け落ちます。

その抜けた毛が絡まって毛玉になります。

毛玉も最初のうちはブラッシングをすれば解けるほどの大きさです。

しかし時間が経てば経つほど、毛玉は大きくなっていきます。

大きくなった毛玉によって、髪の毛が引っ張られているような感覚の痛みが生じます。

猫自身も皮膚が引っ張られるのが痛いので動くのを嫌がります。

なるべく痛くしないような動きをして、痛みから逃れようとします。

ですので、人間が触ったり抱っこすることを嫌がります。



『ケアー』

長毛の猫はブラッシングを嫌がらせないよう優しくなでながらすることが肝心です。

短毛の猫もそうですが、ブラッシングは一度に全身をしようと思わないでください。

最初は気持ち良さそうにしていますが、ブラッシングをし続けると嫌がりますので、何回かに分けて行います。



『毛玉ができてしまった場合』

ブラッシングで毛玉をときほぐすのは、痛みもあって猫には負担です。

猫の皮膚を切らないように気をつけて安全なハサミで切ります。



パスツレラ症

パスツレラは通性嫌気性菌で、皮下組織に膿瘍をつくります。

去勢していないオス猫が喧嘩をすることで、手足や顔に皮膚膿瘍をつくります。

痛みでうずくまり、患部を触ると嫌がります。

『治療』
猫が喧嘩したことに気づいたら、動物病院へ連れていき、抗生物質の注射を受けると、傷口が化膿するリスクを減らすことができるかもしれません。



ビタミンB欠乏症

ほとんど魚を主食としていて、ビタミンEを与えていない猫には、ビタミンE欠乏症が起こります。

マグロのみを与えてきたことが1番の原因と考えられます。

脂肪織炎は脂肪組織に炎症が起こる状態です。

知覚過敏の症状が現れ、体全体に痛みを感じるのか、触ったり抱いたりするのを極端に嫌がります。

『治療』
診断は脂肪組織の組織検査です。

治療はビタミンEの投与とバランスの良い良質なキャットフードを与えることです。



火傷

火傷をすると酷い痛みを感じ、猫はどこかに行ってしまい体を触らせてくれません。

火傷した事実があって、猫が体を触るのを嫌がるようであれば、病院へ連れて行き診察を受けてください。



骨折

開放骨折の場合は、筋肉が裂けて骨が見えることもあるので分かりやすいのですが、外から見えない骨折は、猫は骨折した場所に負担をかけないようにじっとしていますので、すぐにわからないこともあります。

『治療』
全身の症状を確認するのが重要です。

事故の場合、内臓にダメージを受けていれば、内臓治療が最優先です。

脳に障害があれば、事故直後は命を取り留められることができるかも知れません。

骨折は整形手術ですから、事故直後ではなく、猫の状態が安定したことを確認してから治療を行います。



尿道閉鎖

オス猫の尿道が詰まってしまうと、尿が出ない状態になります。

命に関わる緊急な事態ですので、飼い主は様子を見ている時間はありません。

すぐに病院へ行き、尿道閉鎖の処置を受けなければいけません。

『治療』
尿道解除の処置を行います。

尿道閉鎖を起こした時間から、解除を行った時間によって予後に違いがあります。

手術中に死亡するリスクがあります。

尿道閉鎖を起こした原因を治療することが大切です。

尿の濃度環境の変化がなければ、再発する可能性が高い病気です。



尿と便で症状が出る猫の病気


猫の排尿、排便は猫の健康状態を知る上で、たくさんの情報を具体的に教えてくれます。

猫が排尿するときは、砂を掘って、掘った穴に尿が入るようにしゃがんだ姿勢でおこないます。

排尿を終えると、排尿したあたりをクンクンと匂いを嗅いでから、排尿に砂をかぶせます。

猫が排便する時は尿の時とは少し違い、砂の堀方は尿の時よりも念入りに堀、排便が終わった後はその匂いを嗅いで、小さな山ができるほど砂をかけます。

猫の排尿、排便は猫の健康状態を知る上で、とてもたくさんの情報を具体的に教えてくれます。

ですから、トイレの環境は猫に快適であり、飼い主の目の届く場所に置いて日々確認することが必要となります。

猫砂は自分の排泄物の匂いを隠したいと思う、猫の本能を満足させるもの使用しましょう。

よく固まる砂は、尿が砂に触れた瞬間に固まっていきますので、砂をかける前足に尿が付いてしまうことを避けることができます。

トイレの掃除は最低でも1日1回は行ってください。

通常は朝と晩、2回の掃除が理想的です。



『排尿・排便を見るポイント』

・排尿したあと砂の固まりの大きさの把握
・砂の固まりが1日にいくつあるか数えて把握する
・便の硬さを把握
・1日に何回、便が出ているかの確認
・トイレに入る様子
・トイレから出てきた猫の様子
・トイレに入ってる時の猫の姿勢
・猫が健康なときの排尿、排便の仕方
・トイレ以外の場所で排尿をしている
・トイレ以外の場所で排便をしている
・排尿するのに力が入っている
・排尿中に鳴き声をあげる
・排尿中に吐き気がある
・排尿後にペニスをよく舐めている
・いつもは排便の後、砂をかけるのに、砂をかけずに出てきてしまった
・トイレに出たり入ったりしている
・トイレに入って力んでいるのに何も出ていない
・尿の流れの速さ
・尿の色
・尿の臭い

これらの症状を確認して、引き起こす原因を考えていきましょう。



膀胱炎

膀胱炎はオスメスに関係なく、膀胱の炎症により頻尿が見られます。

トイレに小さな砂の固まりがたくさんあることが確認できます。

トイレに入ったり出たり、残尿感を感じ、 尿が溜まっていないのにも関わらず尿を出そうとするとき、血尿が見られることがあります。

食欲がある猫と全くない猫がいます。

痛みのため鳴き声を上げる猫、または嘔吐する猫もいます。

『原因』
アレルギーの可能性があり、猫の膀胱炎は細菌性で発症することはなく、人間の膀胱炎のように細菌感染は一般的ではありません。

膀胱炎の再発を繰り返すようであれば、尿検査や細菌培養をすることも必要になります。



尿結晶症

正常な尿のphは弱酸性で6~6.4です。

phの変化は結晶を作る要因となります。

また、水をあまり飲まない猫は、結晶ができやすくなります。

結晶性物質であるリン酸アンモニウムマグネシウム結晶、シュウ酸カルシウム結晶などが膀胱内にできます。

尿の結晶の種類は尿検査することで、どの種類の結晶か確認することができます。

結晶の成分によって治療方法は異なります。

特に病気になりやすいオス猫の場合は、尿検査は必要になります。

早期治療のためにも、猫の排尿をコップや袋などで摂取して動物病院へ持参しましょう。

phの比重やタンパクなど、尿検査でわかる病気の発見につながります。

また、細菌感染を知ることも重要です。

尿の細菌培養して調べると、病状を確認することが可能になります。

結晶ができる猫の傾向として、肥満で運動不足があげられます。

猫の適切な体重管理を心がけるようにしてください。



尿道炎

尿道に炎症が起こると排尿困難を引き起こします。

排尿時に痛みがあり、猫は少量ずつ尿を繰り返し出します。

トイレ以外の場所で排尿することもあります。

『治療』
細菌培養で病原性細菌を確認し、その細菌に効果の期待できる抗生物質を投与していきます。



尿道損傷

尿道カテーテルによる尿道損傷は、尿道閉鎖のためのカテーテル設置や、尿道カテーテルによる採尿により、尿道が損傷して排尿困難となります。



淀平砂

膀胱に尿が充満しているにもかかわらず、尿を排泄する尿道のどこかに栓ができてしまい、尿が出ない状態が尿道閉鎖です。

『症状』
猫はトイレで排尿姿勢をとるのですか尿が出ないので、尿が点滴のように漏れ落ちることがあります。

腹部を触るとカチカチになった膀胱が硬く膨れています。

猫は具合が悪く不機嫌です。

食欲はなくなり嘔吐が起こることがあります。

『治療』
緊急に尿道解除する必要があります。



便秘

便が硬く、大きいとトイレで踏ん張っても出てこないことがあります。

キャットフードの中には便が粘土のようにしてしまう物があります。

非常に出にくい便を出すために、猫はトイレの中で姿勢を何度も変えて力みます。

老齢猫も便秘においては、便意があっても1回力んで疲れてしまい、その後に出る便があるにもかかわらず、トイレから出てきてしまうこともがあります。

便秘の便は小さくてコロコロしていて硬いです。

真珠のアクセサリーのように、便がくっついて、長さのある便をすることがあります。

便秘はとても苦しいですので、早めに気づいて獣医に見せてください。

『治療』
便秘になりにくいキャットフードを与えて改善します。

浣腸での治療をします。



下痢

トイレで排便をして、そのまま砂をかけずに、走って逃げるような行動があります。

不快感、お腹の痛みがあります。

『治療』
下痢の原因療法。



骨盤骨折

骨盤が骨折して狭くなっているため、便意があるのに便が出にくく、しばらくすると猫は諦めてしまうことがあります。

『治療』
骨盤の整形外科行うことで治療できます。

内科的治療で便を柔らかくします。



以上が尿と便で症状が出る猫の病気です。



下痢をする猫の病気


猫の下痢までの特徴

便に沢山の水分が含まれると下痢になります。

猫の良い便は箸でつまめる固さで、指で押すとへこむ位の水分を含んでいます。

下痢はいろんな症状があります。

形はあるけれど箸でつまめない便や、溶け出したようなおしっこと見間違えるような便など様々な便があります。

下痢をすると便の回数が多くなるのも特徴です。



便になるまでの特徴

便はどのようにしてできるのでしょうか?

口から入った食べ物は胃から小腸に入り、水分を含んだドロドロ状態で大腸に送られ、大腸で一定時間留まりながら水分を吸収して固り、便として排出されます。

つまりこの便のできるまでの正常な過程が崩れると下痢になってしまうのです。

大腸で水分を再吸収するための十分な時間が取れず、正常よりも早く通過してしまえば、水分を多く含んだままの下痢になります。

雨や雪、冬などの自然外ストレスや精神的なストレス等によって、下痢になることがあります。

食物のある物質が大腸に過剰の水分が残る場合も、便の水分量が多くなり下痢を起こします。

感染症の下痢の場合は、細菌の毒素が腸の粘液分泌を多量にして、結果的に水分を多く含む下痢を起こします。



下痢をしている猫のチェックポイント

・排便の回数
・排便の量
・硬さ
・色
・臭い
・粘膜が付着している
・出血
・排便時、痛そうにしている
・排便後も力んでいる
・お腹がゴロゴロ音が聞こえる
・食欲のある下痢か食欲のない下痢



急性の下痢

突然発症しますが原因を特定してから治療する形になりますが、治療しなくても数日で自然に治ってしまいます。



慢性の下痢

元気で食欲があるのに下痢が治らない。

排便中、始めは固い便だったのが途中から下痢になってしまったり、軟便や下痢を繰り返し、数週間から数ヶ月続いている症状が慢性的な下痢と言えます。

慢性の下痢を起こす原因も様々ですが、治療は原因を特定診断することから始まります。



検便

細菌、寄生虫、原虫、線虫、食物の消化具合を見ていきます。

便の特定の特殊培養検査により、細菌や真菌の同定を行うこともあります。

慢性の下痢は原因が1つに限らず、複数の原因が重なりあっていたり、基礎疾患の悪化に伴う二次的な状況から起こることなど、原因を特定することが難しい場合もあります。



小腸性下痢と大腸性下痢の区別

小腸性の下痢は大量のアイスクリームが解けたような下痢便、もしくは悪臭を伴う水便が見られます。

それに伴い、嘔吐、食欲の減少、体重の低下が認められています。



大腸性の下痢

大腸性の下痢は便がゼリー状のような粘膜に覆われていることがあり、便に血が見られることがあります。

猫によっては便をしたあと、まだ完全に出し切っていない仕草を見せることもあります。

通常より排便の頻度が増え、下痢の影響から食欲の低下、体重減少が起きている場合は、腫瘍やホルモン異常など、命に関わる重症な病気の可能性があります。

腸自体の組織検査等で診断する必要もあります。



細菌性下痢

健康な猫の便にもある細菌で、何らかの理由で猫に下痢を起こすことがあります。

『原因』
猫に下痢を起こす細菌として、「サルモネラ」、「カンピロバクター」、「大腸菌」等があります。

細菌によって腸の上皮を通って下痢を起こす細菌、腸毒素を生産して下痢を起こす細菌など、細菌の下痢といっても下痢を起こすメカニズムは複雑です。

これらの下痢起こしている原因となる菌を特定する場合は、便の特殊培養検査を行います。

この検査は、大学付属の研究所や、臨床研修センターなどに依頼するのが一般的です。

病原菌が下痢を起こすのが通常ですが、別の理由で猫の体が弱ってるときに、通常の腸内細菌が細菌性の下痢を起こすことも考えておく必要があります。

猫が基礎疾患を持っていること、病気であること、免疫が抑制されているかの確認、環境が不衛生であること、多頭飼育で過密環境と言うストレスがかかっていることなど、様々な原因を考えていきます。

『治療』
猫の状態を見つつ、原因菌に効果のある抗生物質の投与を行います。



真菌性の下痢

カンジダ、アスペルギウスなどが原因となり下痢を起こします。

真菌が腸粘膜に入り込むように感染し、結節を形成することがあります。

原因を知るためには真菌培養検査などを行います。

病原性のある真菌、非病原性などに分かれます。

『治療』
抗真菌剤の投薬が一般的です。
(非病原性の真菌の場合は別です)

真菌性の下痢を起こす猫の場合、猫の問題点、免疫力、抵抗力などの要因を考える必要があります。



猫筑白血球減少症・パルボウィルス感染症

パルボウィルスが原因の白血球減少を伴う伝染病で、子猫の場合は死亡率が高い病気です。

パルボウィルスが消化管の上皮細胞に増殖をしながら病変を作り、正常な腸館の働きを消失されて、水便性の下痢を起こさせます。

また、パルボウィルスは骨髄も傷をつけてしまい、骨髄の機能を低下させ、汎白血球減少症を起こします。

猫パルボウィルス感染猫は、便の中に多数のウィルスを排出します。

猫筑白血球減少症・パルボウィルス感染症はワクチンで予防します。



腸コロナウィルス感染症

腸絨毛の上皮細胞に感染し下痢を起こします。

腸コロナウィルスは猫の血液検査で抗体価を調べます。

腸コロナウィルスに感染してる猫の便は、粘膜に覆われている場合や、便の最後に血が付くことがあります。

発熱があるため食欲がなくなり、運動が低下することがあり、長期間の軟便と下痢を繰り返すことがあります。

このウィルスは同じコロナウィルスの仲間で、猫を死に至る伝染性腹膜炎ウィルスとの関係があり注意が必要です。



猫白血病ウィルス

ウィルスはリンパ系、骨髄に感染を広げますが腸にも感染が及びます。

腸の上皮粘膜が傷くことで腸炎となり下痢を引き起こします。

白血病ウィルスは消化器官リンパ腫など悪性の腫瘍を引き起こします。

猫白血病はさまざまな症状を引き起こす病気で、レトロウィルスが原因です。



食事の下痢

猫は食べ物ではない観葉植物、セロハンテープ、薄いビニール袋などを食べて下痢を起こすことがあります。

牛乳では乳頭分解する酵素がないため、牛乳を飲むと下痢を起こします。

香辛料の入った食べ物で下痢を起こすこともあります。

市販されているキャットフードに含まれている添加物を食べることで、嘔吐に続く下痢を起こす胃腸疾患が見られることがあります。

腐ったもの誤って食べてしまえば食中毒性の下痢を起こします。

猫はガムを噛むかのように、歯ざわりの気に入ったプラスチックやヒモ、ウール、ティッシュ、毒性のある葉っぱなどを噛みます。

そして噛んでいる間に飲み込んでしまいます。

その結果的、消化できない異物を食べたことで下痢を引き起こしてしまいます。

誤飲しそうな食べれないものは、猫のいる環境に置かないよう心がける必要があります。

またキャットフード含む植物アレルギーの疑いがある猫の場合は、今まで食べていた食事を一切やめることから治療が始まります。

獣医の指導のもと、アレルギーの猫のために作られた食事に切り替えていってください。

また、猫のアレルギーを起こしにくいタンパク質である鶏肉、ラム、ウサギなど調理にして食べさせてあげると、アレルギーを引き起こしにくいかと思われます。



薬物の下痢

抗生物質の投与で下痢を起こすことがあります。

治療のための抗生物質も下痢をしてしまう場合は、それ以上の投与は中止するのが原則です。

抗生物質は細菌感染の治療で使うものですが、正常な腸内細菌に作用して下痢を起こしてしまいます。

抗がん剤の投与で下痢を引き起こすこともあります。

同時に食欲不振、嘔吐、悪心を伴うことがあります。

鎮痛剤の副作用として下痢することがあります。

薬物による下痢が見られた場合は、服用をすぐ中止して獣医に相談してください。

重金属である鉛、有機リン系の殺虫剤、農薬のかかったものを口にしてしまい、嘔吐だけでなく下痢を起こすことがあります。

毒物の種類や症状によって軽度から重症な場合があります。

猫の環境から薬物を排除して防ぐことが必要です。



炎症性の腸炎

炎症性腸炎とは、消化管の粘膜に炎症性細胞が浸透することを特徴とする腸炎で、体重減少を伴う下痢を起こします。

炎症性腸炎は粘膜に浸透する炎症性細胞の種類によって分類されます。



リンパ球

形質細胞性腸炎は免疫細胞であるので、自分の体の中の免疫機構が自分の体に害を及ぼす免疫介在性に起こることが考えられます。

嘔吐だけでなく慢性的な小腸性の下痢で、便の硬さは軟便もしくは水便になります。



好酸球性腸炎

好酸球性腸炎は小腸の好酸球が浸透すると、水便な下痢と食欲不振などで体重減少が見られます。

大腸への浸透は粘液性の下痢を起こします。

この病気を持つ猫の血液検査では、好酸球増加が認めることがあります。

この好酸球と言うのは、アレルギーや体内に寄生虫が寄生してる時に出てくる白血球の1つです。



肉芽腫性腸炎

肉芽腫性腸炎は、粘液、新鮮血を含む慢性的な下痢を主症状とします。

腹痛を伴い、食欲不振も同時に起こることがあります。



結腸炎(大腸炎)

結腸炎の猫の診断は、結腸炎粘膜の生検をすることで確定しています。

結腸炎を持つ猫は便に粘液が付着、または新鮮血が見られる軟便や下痢便をします。



『甲状腺機能亢進症』

10歳を過ぎた猫の場合は、甲状腺機能亢進症が慢性の下痢になる原因であることがあります。

よく食べるのに太らず、よく動き大量の下痢をすることがこの病気の特徴です。



腸のリンパ肉腫

消化管の悪性腫瘍の1つです。

猫白血病ウィルスはリンパ肉腫を引き起こす原因になります。

腸の粘膜固有層と粘膜下織に腫瘍ができ、吸収不良、脂肪便、慢性の下痢を起こし、体重が減少していきます。

進行すると、血の混じった下痢が見られます。

リンパ肉腫に侵された腸は触診により、硬く腹厚して筒のような感触があります。

診断はリンパ肉腫部分の病理検査で確定ができます。



腺癌

腸の腺癌は10歳以上の老齢猫に発症すること多いです。

消化管全てが侵され、消化管の肥厚と粘膜に腫瘍ができ、黒色の下痢便が見られることがあります。



コクシジウム

コクシジウムは小腸や大腸に寄生する原虫です。