傷が治らない猫の病気

猫は傷のある場所を舐めて治そうとします。

ですが舐めることにより傷の治療を促進する場合とそうでない場合があります。

例えば膿んでしまった傷の場合、膿や死んだ皮膚を舐めとることで治療が促進されます。

人間で言う傷を洗い、ガーゼで拭き取る治療法に似ています。

しかし、手術のようなキレイな切り傷だと舐めると言う行為はかえって治療を妨げてしまいます。

キレイな切り傷は何もしない方が良くなります。

ですが多くの猫たちは手術後の傷である縫合の糸を舐めたり、噛み切ろうとしてしまいます。

そうなると治るどころか傷口が悪くなってしまいます。

また、舐める行為で隠された病気がある場合があります。

それが傷のように見えても傷でない場合、例えば腫瘍や肉腫などとである場合も自然には治りませんので、猫は違和感から舐め続けます。

さらに傷であってもそれが真菌から起きていた場合、自然治癒が望めません。

傷に隠された原因となる病気を発見しなくてはなりません。



傷についての観察ポイント

・若年の猫
・中年の猫
・高齢猫
・多頭飼育
・1匹で暮らしている
・一般的な外傷の治療を行っても治らない
・治ったと思ったら同じ場所に再発
・発熱がある
・食欲がない
・食欲不振
・元気がない
・痩せてきた
・傷が広がっている
・エイズの猫
・猫白血病ウィルス
・糖尿病
・内分泌性疾患がある

治りにくい傷についての原因はそれぞれです。



好酸球性プラク

脱毛が見られ、カリフラワー状の皮膚病で腹部や内股に症状が出ます。

全年齢の猫に発生が認められていて、激しい痒み、皮膚の色が暗い赤みを帯びていることがあります。



好酸球性線状肉腫

後ろ足によく見られる線状の肉腫です。

脱毛があり、硬く長さは数cmから10cmに及ぶことがあります。

口唇と下顎に腫れて膨れたような肉腫ができることがあります。



好酸球性潰瘍

全年齢の猫に発症する病気で、上唇分に赤い潰瘍が発症します。

潰瘍が広がると鼻まで及ぶこともあり、痛みや痒みは余りありません。



皮膚脆弱シンドローム

全身の皮膚がもろくなって、皮膚がやぶけていくような皮膚疾患があります。

開いた傷口を手術で縫合をしても、皮膚がもろくてやぶけてしまいます。

皮膚のコラーゲンが全くないのが原因です。

副腎皮質機能亢進症の猫に見られる報告があります。

『治療』
外科的に副腎の除去が効果的です。



菌種

真菌、放線菌が傷口から皮下にろう菅を形成し広がっていきます。

症状として皮膚は脱毛して膿んでいきます。

非常にゆっくりと根を深く広がって行きます。

発熱、食欲不振、全身症状の悪化で死亡にも至ります。

『治療』
抗真菌剤や抗生物質の投与と外科的切除手術をすることで、ろう菅の広がりが止められれば良いのですが、非常に難しい病気です。



扁平上皮癌

太陽の光が皮膚に癌を引き起こす病気です。

顔にできやすく、耳や鼻先の皮膚がポツポツと腫瘍ができていきます。

引っかき傷のように見え、潰瘍が発症していきます。

毛が白い猫や色素の薄い猫に発症率の高い癌です。

老齢猫が主に症状が出ますが、中年の猫にも発症します。

『治療』
腫瘍の大きさ、症状に応じた治療をします。

外科的手術を行います。

『予防』
日中の直射日光を避けることが大切です。

紫外線に当たらないようにすることも大事です。



皮膚血管肉腫、皮膚血管菅種

老齢猫の発症率が高い肉腫です。

皮膚の色が薄い猫が発症しやすい傾向にあります。

顔や耳に潰瘍として出血や内出血している腫瘤があり、転移の可能性があります。

『治療』
転移の確認をして外科的切除手術を行います。



皮膚リンパ腫

痒みのあるプラク状が特徴の病気です。

痒みが酷く猫は掻き壊し頭、顔、足などに潰瘍ができます。

老齢猫に発症率が高いのですが、若年猫にも報告はあります。

猫エイズウィルス、猫白血病ウィルスとの関連性もあります。



肥満細胞腫

年齢に関係なく、頭や首などに栗粒生の結節や、硬い腫瘤、プラークなどの病気が見られます。

『治療』
外科的切除手術を行います。



皮膚のメラノーマ

老齢猫で色素沈着する真っ黒っぽい皮膚の腫瘍です。

頭、首、耳などに多く見られます。

『治療』
外科的切除手術を行いますが、再発や転移が起こることが多い病気です。



基底細胞種

色素沈着した腫瘤が特徴の病気です。

老齢の猫に発症する傾向があり、メラノーマと似ています。

悪性基底細胞種の場合は浸潤性で色素沈着はあまり見られません。



同居している猫同士の喧嘩

生まれた時から一緒に暮らしていればいいのですが、ある程度成長したのちでの同居となると、年数を重ねても仲良くできない猫がいます。

相性の悪い猫同士だと目を合わせる度に喧嘩となります。

予防
同じ空間に同居させないことです。



免疫不全

エイズに感染していたり、糖尿病を患っていたりしている猫たちは免疫力が低下しています。

免疫不全の猫は、健康な猫ならすぐに治ってしまうような傷があっても、治りにくいことがあります。



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