下痢をする猫の病気


猫の下痢までの特徴

便に沢山の水分が含まれると下痢になります。

猫の良い便は箸でつまめる固さで、指で押すとへこむ位の水分を含んでいます。

下痢はいろんな症状があります。

形はあるけれど箸でつまめない便や、溶け出したようなおしっこと見間違えるような便など様々な便があります。

下痢をすると便の回数が多くなるのも特徴です。



便になるまでの特徴

便はどのようにしてできるのでしょうか?

口から入った食べ物は胃から小腸に入り、水分を含んだドロドロ状態で大腸に送られ、大腸で一定時間留まりながら水分を吸収して固り、便として排出されます。

つまりこの便のできるまでの正常な過程が崩れると下痢になってしまうのです。

大腸で水分を再吸収するための十分な時間が取れず、正常よりも早く通過してしまえば、水分を多く含んだままの下痢になります。

雨や雪、冬などの自然外ストレスや精神的なストレス等によって、下痢になることがあります。

食物のある物質が大腸に過剰の水分が残る場合も、便の水分量が多くなり下痢を起こします。

感染症の下痢の場合は、細菌の毒素が腸の粘液分泌を多量にして、結果的に水分を多く含む下痢を起こします。



下痢をしている猫のチェックポイント

・排便の回数
・排便の量
・硬さ
・色
・臭い
・粘膜が付着している
・出血
・排便時、痛そうにしている
・排便後も力んでいる
・お腹がゴロゴロ音が聞こえる
・食欲のある下痢か食欲のない下痢



急性の下痢

突然発症しますが原因を特定してから治療する形になりますが、治療しなくても数日で自然に治ってしまいます。



慢性の下痢

元気で食欲があるのに下痢が治らない。

排便中、始めは固い便だったのが途中から下痢になってしまったり、軟便や下痢を繰り返し、数週間から数ヶ月続いている症状が慢性的な下痢と言えます。

慢性の下痢を起こす原因も様々ですが、治療は原因を特定診断することから始まります。



検便

細菌、寄生虫、原虫、線虫、食物の消化具合を見ていきます。

便の特定の特殊培養検査により、細菌や真菌の同定を行うこともあります。

慢性の下痢は原因が1つに限らず、複数の原因が重なりあっていたり、基礎疾患の悪化に伴う二次的な状況から起こることなど、原因を特定することが難しい場合もあります。



小腸性下痢と大腸性下痢の区別

小腸性の下痢は大量のアイスクリームが解けたような下痢便、もしくは悪臭を伴う水便が見られます。

それに伴い、嘔吐、食欲の減少、体重の低下が認められています。



大腸性の下痢

大腸性の下痢は便がゼリー状のような粘膜に覆われていることがあり、便に血が見られることがあります。

猫によっては便をしたあと、まだ完全に出し切っていない仕草を見せることもあります。

通常より排便の頻度が増え、下痢の影響から食欲の低下、体重減少が起きている場合は、腫瘍やホルモン異常など、命に関わる重症な病気の可能性があります。

腸自体の組織検査等で診断する必要もあります。



細菌性下痢

健康な猫の便にもある細菌で、何らかの理由で猫に下痢を起こすことがあります。

『原因』
猫に下痢を起こす細菌として、「サルモネラ」、「カンピロバクター」、「大腸菌」等があります。

細菌によって腸の上皮を通って下痢を起こす細菌、腸毒素を生産して下痢を起こす細菌など、細菌の下痢といっても下痢を起こすメカニズムは複雑です。

これらの下痢起こしている原因となる菌を特定する場合は、便の特殊培養検査を行います。

この検査は、大学付属の研究所や、臨床研修センターなどに依頼するのが一般的です。

病原菌が下痢を起こすのが通常ですが、別の理由で猫の体が弱ってるときに、通常の腸内細菌が細菌性の下痢を起こすことも考えておく必要があります。

猫が基礎疾患を持っていること、病気であること、免疫が抑制されているかの確認、環境が不衛生であること、多頭飼育で過密環境と言うストレスがかかっていることなど、様々な原因を考えていきます。

『治療』
猫の状態を見つつ、原因菌に効果のある抗生物質の投与を行います。



真菌性の下痢

カンジダ、アスペルギウスなどが原因となり下痢を起こします。

真菌が腸粘膜に入り込むように感染し、結節を形成することがあります。

原因を知るためには真菌培養検査などを行います。

病原性のある真菌、非病原性などに分かれます。

『治療』
抗真菌剤の投薬が一般的です。
(非病原性の真菌の場合は別です)

真菌性の下痢を起こす猫の場合、猫の問題点、免疫力、抵抗力などの要因を考える必要があります。



猫筑白血球減少症・パルボウィルス感染症

パルボウィルスが原因の白血球減少を伴う伝染病で、子猫の場合は死亡率が高い病気です。

パルボウィルスが消化管の上皮細胞に増殖をしながら病変を作り、正常な腸館の働きを消失されて、水便性の下痢を起こさせます。

また、パルボウィルスは骨髄も傷をつけてしまい、骨髄の機能を低下させ、汎白血球減少症を起こします。

猫パルボウィルス感染猫は、便の中に多数のウィルスを排出します。

猫筑白血球減少症・パルボウィルス感染症はワクチンで予防します。



腸コロナウィルス感染症

腸絨毛の上皮細胞に感染し下痢を起こします。

腸コロナウィルスは猫の血液検査で抗体価を調べます。

腸コロナウィルスに感染してる猫の便は、粘膜に覆われている場合や、便の最後に血が付くことがあります。

発熱があるため食欲がなくなり、運動が低下することがあり、長期間の軟便と下痢を繰り返すことがあります。

このウィルスは同じコロナウィルスの仲間で、猫を死に至る伝染性腹膜炎ウィルスとの関係があり注意が必要です。



猫白血病ウィルス

ウィルスはリンパ系、骨髄に感染を広げますが腸にも感染が及びます。

腸の上皮粘膜が傷くことで腸炎となり下痢を引き起こします。

白血病ウィルスは消化器官リンパ腫など悪性の腫瘍を引き起こします。

猫白血病はさまざまな症状を引き起こす病気で、レトロウィルスが原因です。



食事の下痢

猫は食べ物ではない観葉植物、セロハンテープ、薄いビニール袋などを食べて下痢を起こすことがあります。

牛乳では乳頭分解する酵素がないため、牛乳を飲むと下痢を起こします。

香辛料の入った食べ物で下痢を起こすこともあります。

市販されているキャットフードに含まれている添加物を食べることで、嘔吐に続く下痢を起こす胃腸疾患が見られることがあります。

腐ったもの誤って食べてしまえば食中毒性の下痢を起こします。

猫はガムを噛むかのように、歯ざわりの気に入ったプラスチックやヒモ、ウール、ティッシュ、毒性のある葉っぱなどを噛みます。

そして噛んでいる間に飲み込んでしまいます。

その結果的、消化できない異物を食べたことで下痢を引き起こしてしまいます。

誤飲しそうな食べれないものは、猫のいる環境に置かないよう心がける必要があります。

またキャットフード含む植物アレルギーの疑いがある猫の場合は、今まで食べていた食事を一切やめることから治療が始まります。

獣医の指導のもと、アレルギーの猫のために作られた食事に切り替えていってください。

また、猫のアレルギーを起こしにくいタンパク質である鶏肉、ラム、ウサギなど調理にして食べさせてあげると、アレルギーを引き起こしにくいかと思われます。



薬物の下痢

抗生物質の投与で下痢を起こすことがあります。

治療のための抗生物質も下痢をしてしまう場合は、それ以上の投与は中止するのが原則です。

抗生物質は細菌感染の治療で使うものですが、正常な腸内細菌に作用して下痢を起こしてしまいます。

抗がん剤の投与で下痢を引き起こすこともあります。

同時に食欲不振、嘔吐、悪心を伴うことがあります。

鎮痛剤の副作用として下痢することがあります。

薬物による下痢が見られた場合は、服用をすぐ中止して獣医に相談してください。

重金属である鉛、有機リン系の殺虫剤、農薬のかかったものを口にしてしまい、嘔吐だけでなく下痢を起こすことがあります。

毒物の種類や症状によって軽度から重症な場合があります。

猫の環境から薬物を排除して防ぐことが必要です。



炎症性の腸炎

炎症性腸炎とは、消化管の粘膜に炎症性細胞が浸透することを特徴とする腸炎で、体重減少を伴う下痢を起こします。

炎症性腸炎は粘膜に浸透する炎症性細胞の種類によって分類されます。



リンパ球

形質細胞性腸炎は免疫細胞であるので、自分の体の中の免疫機構が自分の体に害を及ぼす免疫介在性に起こることが考えられます。

嘔吐だけでなく慢性的な小腸性の下痢で、便の硬さは軟便もしくは水便になります。



好酸球性腸炎

好酸球性腸炎は小腸の好酸球が浸透すると、水便な下痢と食欲不振などで体重減少が見られます。

大腸への浸透は粘液性の下痢を起こします。

この病気を持つ猫の血液検査では、好酸球増加が認めることがあります。

この好酸球と言うのは、アレルギーや体内に寄生虫が寄生してる時に出てくる白血球の1つです。



肉芽腫性腸炎

肉芽腫性腸炎は、粘液、新鮮血を含む慢性的な下痢を主症状とします。

腹痛を伴い、食欲不振も同時に起こることがあります。



結腸炎(大腸炎)

結腸炎の猫の診断は、結腸炎粘膜の生検をすることで確定しています。

結腸炎を持つ猫は便に粘液が付着、または新鮮血が見られる軟便や下痢便をします。



『甲状腺機能亢進症』

10歳を過ぎた猫の場合は、甲状腺機能亢進症が慢性の下痢になる原因であることがあります。

よく食べるのに太らず、よく動き大量の下痢をすることがこの病気の特徴です。



腸のリンパ肉腫

消化管の悪性腫瘍の1つです。

猫白血病ウィルスはリンパ肉腫を引き起こす原因になります。

腸の粘膜固有層と粘膜下織に腫瘍ができ、吸収不良、脂肪便、慢性の下痢を起こし、体重が減少していきます。

進行すると、血の混じった下痢が見られます。

リンパ肉腫に侵された腸は触診により、硬く腹厚して筒のような感触があります。

診断はリンパ肉腫部分の病理検査で確定ができます。



腺癌

腸の腺癌は10歳以上の老齢猫に発症すること多いです。

消化管全てが侵され、消化管の肥厚と粘膜に腫瘍ができ、黒色の下痢便が見られることがあります。



コクシジウム

コクシジウムは小腸や大腸に寄生する原虫です。



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