しこりがある猫の病気


猫はセルフグルーミングができる動物ですので、気がつけば体のどこかを舐めています。

それでも飼い主がブラッシングしてあげる事はとても大切です。

ブラッシングすることで被毛の様子やフケの出方、皮膚の状態を知る機会にもなります。

1日少なくとも1回はブラッシングをしてあげると良いでしょう。

猫が嫌がらないよう猫にとっても気持ちの良い状態で行えば、猫との良いコミニケーションとなります。

毛の長い猫は、その自然な毛の長さから、自分自身で完全なグルーミングをすることができません。

特に脇の下からお腹、下腹部にかけてはブラッシングをしなければ、抜け落ちた毛が絡まりあって毛玉ができてしまいます。

毛玉ができてしまうと、肌が引っ張られたような痛みを感じて、猫はその部分を触らせないようにします。

長毛の猫は毎日ブラッシングをして、毛玉を作らないように日々のケアが大切です。

それに加えて定期的なシャンプーは猫の被毛を衛生的にキレイになり、飼い主が猫の体をじっくり触れる良いチャンスでもあります。

体のしこりは、飼い主が猫の体を触っているときに気づくものです。

しこりは体の場所に関係なくできるものです。

しこりに気づいたら直ちに獣医に相談しましょう。

そして炎症性ではなく外科的に取れるものなら、できるだけ小さなうちに取ってしまうことです。

猫のしこりが腫瘍性のものであれば、悪性か良性かを検査で知ることができるとともに、もし悪性であっても早期に取り去ることで、体への危険度を下げることができます。

ですので、早めの外科的切除がを体力があるうちに早期治療が大切です。

ワクチン接種後1ヶ月ほどして、しこりができることがあります。

通常はその後、1ヵ月ほどでなくなります。

メス猫の場合は乳腺にしこりができることがあります。

体をよく触っていればわかりやすいものですが、長毛種で毛玉だらけであれば、猫が触られるのを嫌がる上に、物理的に触ることができません。

獣医でもであっても触診が困難です。

乳腺の腫瘍は時間が経つほど大きくなり、転移の危険性が増してきます。

猫はお腹を仰向けにして寝ることがあります。

このような状態の時、猫のお腹全体をよく観察してください。

乳首が見えて、その周辺の皮膚に問題はないか、しこりのようなできものなどがないか、色素沈着している場所はないかを確認してください。

何か異変に気づいたら獣医の診察を受けましょう。



ワクチン肉腫

ワクチンの注射した部位に、肩甲骨の間、首から背中、測腹部、腰部付近、大腿骨の皮下などに軟部組織肉腫の発見が見られます。

一般的なワクチンに行われる皮下注射が原因で、その摂取場所に肉腫が発生することから、注射部肉腫、ワクチン関連肉腫と呼ばれています。

若い猫で多く見られ、中年の猫にも見られます。

これらが発生する腫瘍の中で、発生の最も多いのが線維肉腫です。

また、他にも骨肉腫、悪性線維組織球種、巨細胞腫、横文筋肉種、平骨筋肉腫、軟骨肉腫、脂肪肉腫なども報告されています。

注射部肉腫はワクチン接種後の、数ヶ月から、数年後に発生することがあります。

また、注射部肉腫はワクチン以外に、抗生物質の注射、ステロイドの注射をした場所に薬剤が入ることで、肉腫が引き起こされるようです。

肉腫が引き起こす原因として、ワクチンに使われるアジュバントが発ガンへとつながる、炎症性変化を引き起こすのではないかと思われます。

他にも猫免疫不全ウィルス感染症(猫エイズ)や猫白血病ウィルス感染症している場合のリスクなど様々な原因だと考えられます。

『治療』
外科的処置を行います。



乳腺腫瘍

乳腺腫瘍のほとんどはメス猫に発生します。

避妊手術をしていないメス猫は、している猫に比べると乳腺腫瘍の発生率が7~8倍のデータがあります。

高齢猫は乳腺癌の発生率が高くなり、その75~80%は悪性です。

『治療』
腫瘍の外科的切除手術を行います。

乳腺腫瘍は転移が高い腫瘍ですので、手術にあたっては腹部を含むレントゲン検査を行い、肺への転移や胸水の有無を確認します。

切除した腫瘍は検査を行い、その腫瘍の悪性度を診断します。

術後は腫瘍の切除時期、腫瘍の種類によって治療法が変わってきます。



良性基底細胞腫

皮膚の基底上皮に発生する色素沈着性の皮膚腫瘍です。

多くは高齢猫に発生します。

頭や体幹に硬い皮膚腫瘤として発症します。

基底細胞種は表皮、毛包、汗腺、脂腺の基底細胞に由来します。

『治療』
良性の腫瘍は外科的治療をします。



悪性基底細胞種

頭頸部に発生することが多く、色素沈着のない浸潤性の硬い腫瘍で、転移する悪性腫瘍です。

『治療』
外科的切除を行います。



メラノーマ

皮膚のメラノーマは老齢猫に見られることが多い、悪性度の高い皮膚癌です。

皮膚のメラノーマは黒い色調があります。

結節状、乳頭様と様々な症状とが見受けられます。

頭、耳に発生しやすい腫瘍で、急に腫瘍が大きくなることもあります。

『治療』
外科的切除を行います。



乳腺炎

メス猫の乳腺炎は妊娠時と授乳時に起こります。

また、性成熟期にも見られることがあります。

『原因』
乳頭からブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌が侵入し、これらの細菌で感染した乳腺は種大、発赤し熱を持ちます。

『治療』
細菌感染の治療に準じて抗生物質を投与します。



ワイナーの毛孔拡張と毛包上皮腫

頭から頸部に見られ、腫瘍は早期には盛りあがってきます。

かゆみはなく若い猫から老齢猫に発生します。

『治療』
外科手術を行います。



アポクリン腺腫

頭、背中に孤立性したしこりが見られます。

直径は1.5mmに満たない大きさです。

この腫瘍は乳頭状汗腺腫とも言われてます。

『治療』
外科的切除で治療します。



アポクリン腺癌

頭、手足に発生が多く見られ、平均して2.4mm位の大きさで、良性の腫瘍よりも大きくなる傾向があります。

また、潰瘍になることもあります。

耳、尻、ももに発症しています。

腹部では乳腺腫瘍と似たような腫瘍として見られます。

『治療』
外科的切除が第一の選択です。



脂肪腫

良性の脂肪腫瘍は全年齢に発症しています。

腫瘍の多くは孤立性ですが、多発性も見られます。

体幹の胸から腹部、四肢の発症が見られます。

『治療』
外科的切除で治療します。


耳を掻き(かき)続ける猫の病気


猫の耳は人間と違い頭の上に耳があります。

ですので、猫が耳を掻くときは、耳の穴の中を掻くと言うよりは耳の外側を掻きます。

普段でも耳を掻く姿を見ることがありますが、耳に異常がある場合、痒みが止まらず、掻きすぎて毛が抜けてしまうことがあります。

さらにひどくなれば皮膚を傷つけるまで掻き続け、傷口から出血したりします。

また、耳が痒くて首を振ることがあります。



猫耳の観察ポイント

・耳の中から黒い乾いた耳垢が出ている
・耳の中から茶色のねっとりした耳垢が出ている
・膿傷がある
・耳に潰瘍ができている
・耳の内側が腫れている
・耳が折れ曲がる
・耳の付け根あたりを押すと水のような音がする
・首を振る
・首を傾ける
・耳を触ると痛がる



中耳炎

中耳炎の兆候として、頭を振ったり、耳の中を掻く姿が見られます。

顔面神経に侵されることもあり、唇の麻痺、目や瞼(まぶた)の動きが鈍くなることがあります。

交換神経が侵されると、目が突出することがあります。



中耳炎の兆候

頭を大きく振り、悪いほうの耳へ首を傾けます。

運動失調が見られることもあります。



耳ダニ

ミミヒゼンダニの感染による外耳炎です。

顕微鏡でミミヒゼンダニを確認します。


『治療』
寄生虫駆除薬を使用します。



外傷

猫の喧嘩による引っ掻き傷が原因で膿瘍を起こします。

猫は発熱し、傷口からの痛みがあるので、耳を触られることを嫌います。

猫の傷の原因はパスツレラです。


『治療』
化膿に対する処置と抗生物質の投与です。



耳の裂傷・欠損

猫の喧嘩や事故などで耳の一部が欠損や裂傷が起こります。


『治療』
外科的手術を行います。



細菌性外耳炎

原因菌
・スタフィロコッカス
・ストレプトコッカス
・パスツレラ
・マラセチア

などがあります。



シュードモナス感染性外耳炎

化膿性外耳炎を起こす原因の1つに、シュードモナス(緑膿菌)があります。

耳から黄色や茶色の耳垢が出るのが特徴です。

基礎疾患として猫白血病ウィルス感染、猫エイズウィルス感染の病気を持っている場合は外耳炎になりやすく、外耳炎になってしまうと治療をしても治りにくいことがあります。


『治療』
抗生物質の投与をします。



耳血腫

外耳炎になっている猫が耳を掻いたり、頭を振ったり、耳をこすり付けたりすることで耳が傷つき、耳血腫が起きると考えられています。

耳血腫が広範囲に及ぶと、耳が垂れ上がることがありますが、耳を触っても猫は痛がりません。



耳介先端部の扁平上皮癌

耳の先端に肉芽腫のようなのができる癌です。



耳道のポリープ

耳内部にポリープができる炎症です。


『治療』
外科手術でポリープを切除します。



鼓膜の異常

正常な鼓膜は透明感のある青っぽい膜をしています。

病的な鼓膜は透明感がなく、張った様子や鼓膜が波を打ったように見える時があります。

鼓膜が破れると液体が出て、猫はしきりに首を振る姿が見られます。

鼓膜への慢性的な刺激があると、鼓膜が変性していきます。

外耳炎や中耳炎は鼓膜に炎症を及ぼし病変を作ります。


『治療』
抗生物質の投与を行います。



中耳炎

細菌感染による中耳炎があります。


『治療』
抗生物質を投与します。



内耳炎

運動の平衡感覚を司る器官が障害されるため、眼が回り、平衡感覚がうまく掴めず、真っ直ぐ歩くことができなくなることがあります。

内耳炎は中耳炎から引き起こすこともあります。



白猫の難聴

遺伝的疾患として目まいを起こすことがあります。

被毛の白い猫に観察される疾患です。

生まれつき難聴の猫は正常な運動や行動ができ、難聴に気付かないことがあります。

猫に気づかれないように、耳の後ろで音を立てても気にする様子がない場合や、耳がピクリとも動かないときは難聴と判断します。

難聴の猫の耳はきれいで鼓膜も正常です。



耳のケアーの仕方

脱脂綿などを指に巻き、耳の汚れを拭いてあげます。

耳穴のお掃除で綿棒は絶対に使用してはいけません。

猫の耳の穴は細く、綿棒入れることで耳を傷つけてしまうことがあります。

また、耳の油は自然に外へ出てくるようになっていますので、綿棒を使うと汚れを押し込んでしまうことにもなります。