体を掻く(かく)猫の病気


猫は首や耳あたりを掻いたと思えば、後ろ足で肩のあたりを力強く掻いて、ピッタと止めて何もなかったように振る舞いを見せることがあります。

その後に掻いたと思えば体を舐めるたりする仕草は、猫のセルフグルーミングしていると捉えて良いと思います。

1日に数回、体のどこかを掻く猫も、1日中掻く猫も、1日中掻くのを見かけない猫も、それは猫の個体差として捉えて良いのですが、その掻き方がいつもと違っている時は、皮膚に何らかのトラブルが起こっているかも知れないと考えることがとても大事です。



猫が掻いている皮膚の観察

皮膚に赤いポツポツが出ていて、その部分が少し盛り上がっていたり、カサカサした角質やかさぶたなどの症状が見れた場合、猫に比較的よく見られる皮膚炎です。

栗粒性皮膚炎と診断されるこの炎症は、ノミに咬まれた時の咬傷過敏症やアトピー、アレルギーなどが原因で起こります。

猫の痒みに対する感受性も個人差があり、痒さに対して感受性の高い猫の場合は、皮膚を掻き壊し出血していても掻き続ける猫は珍しくはありません。

例えば食器洗剤やシャンプーなどが皮膚について、かぶれを引き起こし、搔きむしる猫もいます。

病院で治療をするときですが、接触したものを特定し、それを猫の環境から排除しないと、皮膚炎が繰り返されてしまいますので、原因を突き止めることは大切です。

猫は手足以外にも、舌と歯を使って体中を掻くことができますので、皮膚の炎症はできるだけ早く見つけて治療しなくてはなりません。

なぜなら掻き壊してしまうと、元の病変と原因がわからなくなり、爪や舌で舐め咬むことによる細菌の二次感染を起こしてしまいます。

こうなると完治までに時間も手間もかかってしまいます。

飼い主が猫のグルーミングの最中に見つけやすいのが、毛が少し薄くなってる皮膚の表面が、カサカサしたフケが出ている箇所です。

猫はあまり気にしていないことも多いですが、このカサカサした白いフケが飼い主に感染してしまう病原性である真菌(皮膚糸状細菌)のこともありますので、発見したら獣医の診断を受けてください。



皮下膿症

皮膚の下に膿が溜まる皮下膿症は、炎症が起こり痛みが出てきます。

次に皮膚の壊死が始まると、その部分の毛が抜け落ちて皮膚の色が紫色に変わっていきます。

次に皮膚が裂けて黄色い膿が出てきます。

皮下膿症は、猫同士の喧嘩傷が原因で起こります。

膿が溜まり始めるまで少なくとも数日経過していますので、飼い主はドロドロの膿が出てビックリしてしまうのですが、膿が出てしまうと猫は状態が良くなります。

膿が溜まっている状態の方が具合が悪いので、二次感染がないよう獣医師に見て頂いて、治療をしてください。



猫のブラッシングが早期発見

猫の体をブラッシングしてあげると、皮膚の異常にいち早く気付くことができます。

皮膚がカサカサしていればフケが出ます。

かさぶたや吹き出物があれば凹凸がありますので、ブラッシングしていると違和感がありますので気付きます。

猫同士の喧嘩で爪によりできたひっかけ傷に触れれば、猫は嫌がったり、怒ったりします。

傷を負ってしまったときは、早め目に抗生物質で治療できれば、皮下膿症にならずに済むこともあります。

自分の猫が喧嘩してしまう環境にいる場合、体をよく触る習慣を付けて、猫に異常はないかを確認してあげてください。

例外として皮膚病ではなく、痒みがないにも関わらず、ただ掻くことで皮膚が深くえぐれてしまう猫もいます。

掻くと言う行為が、かゆみや違和感といった原因以外にも起こることを知る必要があります。

猫のセルフグルーミングは一体何のために行われているのか、様々な理由が上げられていますが、ハッキリした答えはまだ出ていません。

ですので、自分の体を傷つけてまで掻き続ける猫の治療には、通常の炎症止めや抗生物質で改善されることはなく、猫の精神科としての治療が必要になります。



アトピー

アトピーは痒みを伴う発疹が繰り返しできる皮膚病です。

アレルギーの中ではじんましんのような即時に症状が出る1型アレルギーに分類されます。

アトピー性皮膚炎は肥満細胞の表面に存在する、免疫グロブリンの1つIgE抗体が抗原と結びつき、抗原抗体反応を起こすことで発症します。

このIgE抗体を作りやすい体質の猫が、アトピー性皮膚炎を起こすことがわかっています。

季節によってアトピー性皮膚炎を起こす猫も多くいますが、全く季節に関係なく発症する猫もいます。

アレルゲンは特定できませんが、ダニやハウスダストなどのが原因だと考えられると思います。

アトピーが原因の栗粒性皮膚炎はよく見られる皮膚病です。

好酸球性芽種も起こりうる皮膚病です。

アトピー体質の猫は黄色ブドウ球菌の感染も起こしやすい傾向にあります。

掻き傷からの二次的な細菌感染を起こすため、抗生物質の投与が必要になります。

また、目の上から耳の付け根など、顔面に痒みを伴う発疹が出ることがあり、対称性貧毛症も見られます。

『治療』
抗炎症作用を持つ薬剤の投与します。



食事アレルギー性皮膚炎

皮膚炎は栗粒性皮膚炎を始め、好酸球性肉芽腫、顔面に痒みを伴う発疹、対称性貧毛が見られます。

食事アレルギーの猫には獣医師の処方する、低アレルゲン食を与え、食べている期間に皮膚疾患が消えれば、食事アレルギーの疑いと言うことで、処方食を食べつつ観察していきます。



ノミアレルギー

ノミアレルギーはノミに咬まれたことによって、ノミの唾液が体内に入ることでアレルギーが発症します。

ただ、ノミに咬まれたり寄生されたからと言って、全ての猫がノミアレルギーを発症するわけではありません。

ノミに対して過敏症の猫は、痒みを伴う赤く盛り上がった皮膚炎を起こします。
しっぽの付け根から背中にかけて、ノミアレルギー性皮膚炎が多く見られます。

『治療』
抗炎症作用のある薬を投与します。

そしてもっとも大事な事は、体についてるノミ駆除とノミ寄生の予防です。

獣医師の処方するノミ駆虫剤は猫に安全かつ、ノミ以外の寄生虫にも効果がありますので、愛猫を守るためにも定期的に投与してください。



スタットテイル

猫の尾から背中に沿った尾脂腺、アポクリン線の分泌過多により起こる脂漏性皮膚病気です。

背の後半からシッポににかけて、ワックスをつけたようなべたつきが見られ、被毛が固まった状態になります。

そこに細菌感染が起こると、皮膚が化膿して痛みを伴います。

『治療』
患部を薬用殺菌効果のあるシャンプーで洗います。



皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌症は皮膚の表面角化層や爪、被毛に発症する病気です。

人間に感染する糸状菌は、人間に痒みを伴う皮膚炎を起こします。

症状として円形脱毛やカサカサしたフケ、進行すると体の至るところに円形脱毛ができ、大きな円形脱毛となります。

痒みに関しては症状が出る猫もいれば、痒みが出ない猫もいます。

症状として栗粒性皮膚炎、爪の変形、爪が割れるなどの症状が見られます。

『検査』
ウッドランプでフケや被毛の発光を見て確認します。

皮膚のフケや被毛を検査して真菌培養します。

皮膚糸状菌症は人間に感染しますので、的確に診断する事は非常に重要です。

『治療』
被毛を短くして薬用シャンプーで洗って糸状菌を進行させないことが重要です。

抗真菌剤の投与を行います。



毛ジラミ

被毛に真っ白なフケのようなのが毛ジラミです。

『治療』
フリーコームで毛をスクと毛ジラミが取れますが、毛ジラミの卵は取り切ることはできません。



薬疹(やくしん)

薬疹は薬に対する痒みを伴う皮膚炎です。

薬剤を投薬した後、皮膚炎が起きた場合は投薬を止めて、薬剤を処方した獣医師に報告してください。



真菌性皮膚炎

被毛、皮膚、爪に痒みがある猫もいれば、痒みがない猫もいます。



耳ヒゼンダニ

耳の中から真っ黒な耳アカが耳ヒゼンダニです。

耳アカを顕微鏡で見ると、耳ヒゼンダニを確認できます。

猫はひっきりなしに耳を激しく掻きます。

耳の後ろの毛が抜け落ち、皮膚から血が出るまで掻くことがあります。

時には痒みに耐えられなくて、頭を激しく降る様子も見られます。

『治療』
耳ヒゼンダニに効果のあるノミ駆除薬を投与して治療します。



接触性かぶれ

家庭にあるシャンプーや洗剤などが体に付いてしまうと、猫はその部分を激しく描いて、脱毛と皮膚炎を起こすことがあります。

『治療』
幹部を含め体をよく洗います。

原因として考えられる物は、猫の手の届かない場所に置きましょう。

果物のフルーツ酸が猫の皮膚に塗布されることで、かぶれを引き起こすことがあります。

抗炎症作用をのある薬を投薬します。



アクネ

顎に黒い汚れのような小さいツブツブがアクネです。

掻く猫と掻かない猫がいます。

『症状』
顎に付着しているアクネが細菌感染を起こすと、顎が赤く腫れ、熱を持ったようになり、膨れてしまうことがあります。

痒みに敏感な猫は掻きむしって出血してしまうことがあります。

『治療』
ノミ取りクシでブラッシングをして、薬用シャンプーで洗います。

猫に安全な消毒薬で消毒します。

抗生物質を投与します。

アクネは再発することがとても多い病気です。



ボックスウィルス感染症

ボックスウィルス感染による皮膚炎から進行すると、顔面や四肢に潰瘍性が発症します。

痒みを伴い、水泡ができて破裂すると潰瘍化します。


『治療』
傷口の消毒と抗生物質の投与を行います。