傷が治らない猫の病気

猫は傷のある場所を舐めて治そうとします。

ですが舐めることにより傷の治療を促進する場合とそうでない場合があります。

例えば膿んでしまった傷の場合、膿や死んだ皮膚を舐めとることで治療が促進されます。

人間で言う傷を洗い、ガーゼで拭き取る治療法に似ています。

しかし、手術のようなキレイな切り傷だと舐めると言う行為はかえって治療を妨げてしまいます。

キレイな切り傷は何もしない方が良くなります。

ですが多くの猫たちは手術後の傷である縫合の糸を舐めたり、噛み切ろうとしてしまいます。

そうなると治るどころか傷口が悪くなってしまいます。

また、舐める行為で隠された病気がある場合があります。

それが傷のように見えても傷でない場合、例えば腫瘍や肉腫などとである場合も自然には治りませんので、猫は違和感から舐め続けます。

さらに傷であってもそれが真菌から起きていた場合、自然治癒が望めません。

傷に隠された原因となる病気を発見しなくてはなりません。



傷についての観察ポイント

・若年の猫
・中年の猫
・高齢猫
・多頭飼育
・1匹で暮らしている
・一般的な外傷の治療を行っても治らない
・治ったと思ったら同じ場所に再発
・発熱がある
・食欲がない
・食欲不振
・元気がない
・痩せてきた
・傷が広がっている
・エイズの猫
・猫白血病ウィルス
・糖尿病
・内分泌性疾患がある

治りにくい傷についての原因はそれぞれです。



好酸球性プラク

脱毛が見られ、カリフラワー状の皮膚病で腹部や内股に症状が出ます。

全年齢の猫に発生が認められていて、激しい痒み、皮膚の色が暗い赤みを帯びていることがあります。



好酸球性線状肉腫

後ろ足によく見られる線状の肉腫です。

脱毛があり、硬く長さは数cmから10cmに及ぶことがあります。

口唇と下顎に腫れて膨れたような肉腫ができることがあります。



好酸球性潰瘍

全年齢の猫に発症する病気で、上唇分に赤い潰瘍が発症します。

潰瘍が広がると鼻まで及ぶこともあり、痛みや痒みは余りありません。



皮膚脆弱シンドローム

全身の皮膚がもろくなって、皮膚がやぶけていくような皮膚疾患があります。

開いた傷口を手術で縫合をしても、皮膚がもろくてやぶけてしまいます。

皮膚のコラーゲンが全くないのが原因です。

副腎皮質機能亢進症の猫に見られる報告があります。

『治療』
外科的に副腎の除去が効果的です。



菌種

真菌、放線菌が傷口から皮下にろう菅を形成し広がっていきます。

症状として皮膚は脱毛して膿んでいきます。

非常にゆっくりと根を深く広がって行きます。

発熱、食欲不振、全身症状の悪化で死亡にも至ります。

『治療』
抗真菌剤や抗生物質の投与と外科的切除手術をすることで、ろう菅の広がりが止められれば良いのですが、非常に難しい病気です。



扁平上皮癌

太陽の光が皮膚に癌を引き起こす病気です。

顔にできやすく、耳や鼻先の皮膚がポツポツと腫瘍ができていきます。

引っかき傷のように見え、潰瘍が発症していきます。

毛が白い猫や色素の薄い猫に発症率の高い癌です。

老齢猫が主に症状が出ますが、中年の猫にも発症します。

『治療』
腫瘍の大きさ、症状に応じた治療をします。

外科的手術を行います。

『予防』
日中の直射日光を避けることが大切です。

紫外線に当たらないようにすることも大事です。



皮膚血管肉腫、皮膚血管菅種

老齢猫の発症率が高い肉腫です。

皮膚の色が薄い猫が発症しやすい傾向にあります。

顔や耳に潰瘍として出血や内出血している腫瘤があり、転移の可能性があります。

『治療』
転移の確認をして外科的切除手術を行います。



皮膚リンパ腫

痒みのあるプラク状が特徴の病気です。

痒みが酷く猫は掻き壊し頭、顔、足などに潰瘍ができます。

老齢猫に発症率が高いのですが、若年猫にも報告はあります。

猫エイズウィルス、猫白血病ウィルスとの関連性もあります。



肥満細胞腫

年齢に関係なく、頭や首などに栗粒生の結節や、硬い腫瘤、プラークなどの病気が見られます。

『治療』
外科的切除手術を行います。



皮膚のメラノーマ

老齢猫で色素沈着する真っ黒っぽい皮膚の腫瘍です。

頭、首、耳などに多く見られます。

『治療』
外科的切除手術を行いますが、再発や転移が起こることが多い病気です。



基底細胞種

色素沈着した腫瘤が特徴の病気です。

老齢の猫に発症する傾向があり、メラノーマと似ています。

悪性基底細胞種の場合は浸潤性で色素沈着はあまり見られません。



同居している猫同士の喧嘩

生まれた時から一緒に暮らしていればいいのですが、ある程度成長したのちでの同居となると、年数を重ねても仲良くできない猫がいます。

相性の悪い猫同士だと目を合わせる度に喧嘩となります。

予防
同じ空間に同居させないことです。



免疫不全

エイズに感染していたり、糖尿病を患っていたりしている猫たちは免疫力が低下しています。

免疫不全の猫は、健康な猫ならすぐに治ってしまうような傷があっても、治りにくいことがあります。



発作・痙攣(けいれん)している猫の病気


猫の発作

発作は脳の障害で、激しい発作から軽度の発作など様々です。

症状として自分の意志に逆らって、動かそうと思わないのに手足や顔面など、体の一部あるいは全体がかってに動いてしまい、止めようと思っても止められないふらつき、ヨダレ、失禁、脱糞、鳴き叫ぶ、興奮、常に睡眠状態に陥っている状態など様々な動き行動が見られます。

それに伴う発作の時間ですが、数秒で終わる場合から、数分、数十分、それ以上続く症状があります。

発作の頻度も同じように様々です。



猫のてんかん

猫にも人間と同じように突然起こるてんかんがあります。

てんかんは脳内の神経細胞の異常な電気活動に伴って起きる、痙攣や意識障害などが慢性的に起こる脳の病気です。



猫の痙攣(けいれん)

痙攣は全身的にあるいは局所的に生じる急激で自分の意思とは無関係に起きてしまう筋収縮です。

痙攣には真性てんかん、症喉性痙攣、心因性痙攣などがあります。

痙攣発作のとき猫が舌を噛んでしまうないように、ガーゼなどを丸めて咬ませるようにしてください。



発作、痙攣を起こした猫の症状


・口の周りがヨダレで濡れている
・泡を吹いている
・涙を流している
・涙を流した後がある
・目の焦点が合わない
・目が泳いでいる
・飼い主の呼ぶ声に反応しない
・ぐったりとしている
・震えている
・棚の上に寝ていた猫が落下した
・手足を硬直させて倒れた
・不安な表情で鳴きながら歩いている
・嘔吐
・排尿
・排便
・暴れ回る
・老齢猫
・糖尿病、甲状腺機能亢進症の病気を抱えている



痙攣発作の観察ポイント

・発作の時間
・意識のレベル
・目の焦点
・吐き気
・発熱
・痙攣発作による食欲
・ふらつき
・運動障害
・歩行障害
・睡眠状態


痙攣発作の原因次の通りです



狂犬病

狂犬病ウィルスは多くは野生動物が持っていて、命に関わるとても危険なウィルスです。

狂犬病ウィルスは全ての人間、動物へ感染します。。

身近な動物だとキツネ、スカンク、アライグマ、コウモリなどがいます。

特に気をつけなければいけないのがコウモリの唾液と尿です。

コウモリの唾液と尿には狂犬病ウィルスが存在しています。

欧米では猫の狂犬病の感染源の1つとして、コウモリが重要視されています。

猫の狩りをする習性がコウモリを襲い、咬まれたり尿をかけられて狂犬病に感染して命を落とすことがあります。


症状は前駆期、興奮、凶暴期、麻酔機の3期に分かれます。


『前駆期』
前駆期では体温の上昇、瞳孔の散大、情緒不安定などがあり、物音など過剰に反応します。


『興奮期』
興奮期では筋肉の痙攣、筋肉の脱力、唾液の増加、運動失調、ふらつき、咽頭麻痺による水や食べ物を飲み込む困難が見られるようになります。


『麻痺期』
麻痺が全身に及ぶと死亡します。


『治療』
狂犬病の治療法がなく、症状が出ている場合は数日以内に死亡します。



猫伝染性腹膜炎

中枢神経が侵される病気で、摂食障害が起こるとご飯をうまく食べられない様子や口からこぼすようになります。

舌でキャットフードをすくい取ることができず、飼い主が口に入れてあげても飲み込めなくなります。

水も自力で飲むことができなくなってきます。

少しの刺激で体を硬直させてしまい神経過敏となります。

水が飲めないので脱水で体は痩せてしまい、顔の表情が変わっていきます。

弱った体は歩行がおぼつかなくなり、座り込んだまま動けなくなったり、痙攣発作が起こります。

悪化すると眼球が揺れ、目が見えなくなることもあります。

辛さのあまり大きな声で鳴く仕草が見られます。


『治療』
抗生物質で治療します。



フィラリア症

脳動脈、硬膜下腔、脳幹などにフィラリアが入り込むと、沈鬱、円を描くように回ったり、痙攣、麻痺などの症状が出ます。



髄膜腫(ずいまくえん)

脳の側頭、前頭、後頭の髄膜から発症しますが、大脳の髄質に最も多く発生する脳腫瘍です。

腫瘍は中枢神経を圧迫し、さまざまな症状を引き起こします。

円を描くように回ること行動の変化が見られ、視覚に障害が起こります。

腫瘍が脳組織を圧迫して、てんかん発作の引き金となることが考えられます。

老齢猫に多い腫瘍です。


『治療』
手術で適応できれば外科手術を行います。



上皮細胞種

脳脊髄液の流通が妨げられることで、水頭症、失明、四肢麻痺などが症状として出てきます。


『治療』
外科的手術、抗炎症剤、抗てんかん薬などの治療があります。



低カルシウム血症

低カルシウム血症は上皮小体機能低下症の猫に発症することがあります。


『治療』
カルシウム補給とビタミンD



産褥(さんじょく)テタニー

子猫を産んで授乳中の母猫の血中カルシウム濃度が極度に低下することにより、急性に起こる痙攣発作で、死に至ることもあります。



体循環門脈シャント

門脈の血管異常によって肝臓に入るべき血液が肝臓を迂回してしまい、血液中のアンモニアが肝臓で分解されないことで高アンモニア血症になります。

アンモニアは脳に作用して痙攣を起こします。



熱中症

熱中症は室内外の猫で見られる緊急疾患です。


『原因』
気温の高い日にエアコンをかけずに外出すると、室内の温度が上がり猫は熱中症になります。

機密性の高いマンションにお住まいの人は特に気をつけなくてはなりません。


『症状』
熱中症になると猫は開口呼吸をします。

次に熱性の痙攣、意識喪失から死に至ります。

飼い主がこのような症状が出たときは、水道水をかけ続けて体温を下げます。

意識があり体温が正常に戻れば命を救うことができますが、そのまま意識は戻らず死んでしまうことがあります。

本格的な夏を迎える5~7月の暑い日に多く見受けられます。



しこりがある猫の病気


猫はセルフグルーミングができる動物ですので、気がつけば体のどこかを舐めています。

それでも飼い主がブラッシングしてあげる事はとても大切です。

ブラッシングすることで被毛の様子やフケの出方、皮膚の状態を知る機会にもなります。

1日少なくとも1回はブラッシングをしてあげると良いでしょう。

猫が嫌がらないよう猫にとっても気持ちの良い状態で行えば、猫との良いコミニケーションとなります。

毛の長い猫は、その自然な毛の長さから、自分自身で完全なグルーミングをすることができません。

特に脇の下からお腹、下腹部にかけてはブラッシングをしなければ、抜け落ちた毛が絡まりあって毛玉ができてしまいます。

毛玉ができてしまうと、肌が引っ張られたような痛みを感じて、猫はその部分を触らせないようにします。

長毛の猫は毎日ブラッシングをして、毛玉を作らないように日々のケアが大切です。

それに加えて定期的なシャンプーは猫の被毛を衛生的にキレイになり、飼い主が猫の体をじっくり触れる良いチャンスでもあります。

体のしこりは、飼い主が猫の体を触っているときに気づくものです。

しこりは体の場所に関係なくできるものです。

しこりに気づいたら直ちに獣医に相談しましょう。

そして炎症性ではなく外科的に取れるものなら、できるだけ小さなうちに取ってしまうことです。

猫のしこりが腫瘍性のものであれば、悪性か良性かを検査で知ることができるとともに、もし悪性であっても早期に取り去ることで、体への危険度を下げることができます。

ですので、早めの外科的切除がを体力があるうちに早期治療が大切です。

ワクチン接種後1ヶ月ほどして、しこりができることがあります。

通常はその後、1ヵ月ほどでなくなります。

メス猫の場合は乳腺にしこりができることがあります。

体をよく触っていればわかりやすいものですが、長毛種で毛玉だらけであれば、猫が触られるのを嫌がる上に、物理的に触ることができません。

獣医でもであっても触診が困難です。

乳腺の腫瘍は時間が経つほど大きくなり、転移の危険性が増してきます。

猫はお腹を仰向けにして寝ることがあります。

このような状態の時、猫のお腹全体をよく観察してください。

乳首が見えて、その周辺の皮膚に問題はないか、しこりのようなできものなどがないか、色素沈着している場所はないかを確認してください。

何か異変に気づいたら獣医の診察を受けましょう。



ワクチン肉腫

ワクチンの注射した部位に、肩甲骨の間、首から背中、測腹部、腰部付近、大腿骨の皮下などに軟部組織肉腫の発見が見られます。

一般的なワクチンに行われる皮下注射が原因で、その摂取場所に肉腫が発生することから、注射部肉腫、ワクチン関連肉腫と呼ばれています。

若い猫で多く見られ、中年の猫にも見られます。

これらが発生する腫瘍の中で、発生の最も多いのが線維肉腫です。

また、他にも骨肉腫、悪性線維組織球種、巨細胞腫、横文筋肉種、平骨筋肉腫、軟骨肉腫、脂肪肉腫なども報告されています。

注射部肉腫はワクチン接種後の、数ヶ月から、数年後に発生することがあります。

また、注射部肉腫はワクチン以外に、抗生物質の注射、ステロイドの注射をした場所に薬剤が入ることで、肉腫が引き起こされるようです。

肉腫が引き起こす原因として、ワクチンに使われるアジュバントが発ガンへとつながる、炎症性変化を引き起こすのではないかと思われます。

他にも猫免疫不全ウィルス感染症(猫エイズ)や猫白血病ウィルス感染症している場合のリスクなど様々な原因だと考えられます。

『治療』
外科的処置を行います。



乳腺腫瘍

乳腺腫瘍のほとんどはメス猫に発生します。

避妊手術をしていないメス猫は、している猫に比べると乳腺腫瘍の発生率が7~8倍のデータがあります。

高齢猫は乳腺癌の発生率が高くなり、その75~80%は悪性です。

『治療』
腫瘍の外科的切除手術を行います。

乳腺腫瘍は転移が高い腫瘍ですので、手術にあたっては腹部を含むレントゲン検査を行い、肺への転移や胸水の有無を確認します。

切除した腫瘍は検査を行い、その腫瘍の悪性度を診断します。

術後は腫瘍の切除時期、腫瘍の種類によって治療法が変わってきます。



良性基底細胞腫

皮膚の基底上皮に発生する色素沈着性の皮膚腫瘍です。

多くは高齢猫に発生します。

頭や体幹に硬い皮膚腫瘤として発症します。

基底細胞種は表皮、毛包、汗腺、脂腺の基底細胞に由来します。

『治療』
良性の腫瘍は外科的治療をします。



悪性基底細胞種

頭頸部に発生することが多く、色素沈着のない浸潤性の硬い腫瘍で、転移する悪性腫瘍です。

『治療』
外科的切除を行います。



メラノーマ

皮膚のメラノーマは老齢猫に見られることが多い、悪性度の高い皮膚癌です。

皮膚のメラノーマは黒い色調があります。

結節状、乳頭様と様々な症状とが見受けられます。

頭、耳に発生しやすい腫瘍で、急に腫瘍が大きくなることもあります。

『治療』
外科的切除を行います。



乳腺炎

メス猫の乳腺炎は妊娠時と授乳時に起こります。

また、性成熟期にも見られることがあります。

『原因』
乳頭からブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌が侵入し、これらの細菌で感染した乳腺は種大、発赤し熱を持ちます。

『治療』
細菌感染の治療に準じて抗生物質を投与します。



ワイナーの毛孔拡張と毛包上皮腫

頭から頸部に見られ、腫瘍は早期には盛りあがってきます。

かゆみはなく若い猫から老齢猫に発生します。

『治療』
外科手術を行います。



アポクリン腺腫

頭、背中に孤立性したしこりが見られます。

直径は1.5mmに満たない大きさです。

この腫瘍は乳頭状汗腺腫とも言われてます。

『治療』
外科的切除で治療します。



アポクリン腺癌

頭、手足に発生が多く見られ、平均して2.4mm位の大きさで、良性の腫瘍よりも大きくなる傾向があります。

また、潰瘍になることもあります。

耳、尻、ももに発症しています。

腹部では乳腺腫瘍と似たような腫瘍として見られます。

『治療』
外科的切除が第一の選択です。



脂肪腫

良性の脂肪腫瘍は全年齢に発症しています。

腫瘍の多くは孤立性ですが、多発性も見られます。

体幹の胸から腹部、四肢の発症が見られます。

『治療』
外科的切除で治療します。


耳を掻き(かき)続ける猫の病気


猫の耳は人間と違い頭の上に耳があります。

ですので、猫が耳を掻くときは、耳の穴の中を掻くと言うよりは耳の外側を掻きます。

普段でも耳を掻く姿を見ることがありますが、耳に異常がある場合、痒みが止まらず、掻きすぎて毛が抜けてしまうことがあります。

さらにひどくなれば皮膚を傷つけるまで掻き続け、傷口から出血したりします。

また、耳が痒くて首を振ることがあります。



猫耳の観察ポイント

・耳の中から黒い乾いた耳垢が出ている
・耳の中から茶色のねっとりした耳垢が出ている
・膿傷がある
・耳に潰瘍ができている
・耳の内側が腫れている
・耳が折れ曲がる
・耳の付け根あたりを押すと水のような音がする
・首を振る
・首を傾ける
・耳を触ると痛がる



中耳炎

中耳炎の兆候として、頭を振ったり、耳の中を掻く姿が見られます。

顔面神経に侵されることもあり、唇の麻痺、目や瞼(まぶた)の動きが鈍くなることがあります。

交換神経が侵されると、目が突出することがあります。



中耳炎の兆候

頭を大きく振り、悪いほうの耳へ首を傾けます。

運動失調が見られることもあります。



耳ダニ

ミミヒゼンダニの感染による外耳炎です。

顕微鏡でミミヒゼンダニを確認します。


『治療』
寄生虫駆除薬を使用します。



外傷

猫の喧嘩による引っ掻き傷が原因で膿瘍を起こします。

猫は発熱し、傷口からの痛みがあるので、耳を触られることを嫌います。

猫の傷の原因はパスツレラです。


『治療』
化膿に対する処置と抗生物質の投与です。



耳の裂傷・欠損

猫の喧嘩や事故などで耳の一部が欠損や裂傷が起こります。


『治療』
外科的手術を行います。



細菌性外耳炎

原因菌
・スタフィロコッカス
・ストレプトコッカス
・パスツレラ
・マラセチア

などがあります。



シュードモナス感染性外耳炎

化膿性外耳炎を起こす原因の1つに、シュードモナス(緑膿菌)があります。

耳から黄色や茶色の耳垢が出るのが特徴です。

基礎疾患として猫白血病ウィルス感染、猫エイズウィルス感染の病気を持っている場合は外耳炎になりやすく、外耳炎になってしまうと治療をしても治りにくいことがあります。


『治療』
抗生物質の投与をします。



耳血腫

外耳炎になっている猫が耳を掻いたり、頭を振ったり、耳をこすり付けたりすることで耳が傷つき、耳血腫が起きると考えられています。

耳血腫が広範囲に及ぶと、耳が垂れ上がることがありますが、耳を触っても猫は痛がりません。



耳介先端部の扁平上皮癌

耳の先端に肉芽腫のようなのができる癌です。



耳道のポリープ

耳内部にポリープができる炎症です。


『治療』
外科手術でポリープを切除します。



鼓膜の異常

正常な鼓膜は透明感のある青っぽい膜をしています。

病的な鼓膜は透明感がなく、張った様子や鼓膜が波を打ったように見える時があります。

鼓膜が破れると液体が出て、猫はしきりに首を振る姿が見られます。

鼓膜への慢性的な刺激があると、鼓膜が変性していきます。

外耳炎や中耳炎は鼓膜に炎症を及ぼし病変を作ります。


『治療』
抗生物質の投与を行います。



中耳炎

細菌感染による中耳炎があります。


『治療』
抗生物質を投与します。



内耳炎

運動の平衡感覚を司る器官が障害されるため、眼が回り、平衡感覚がうまく掴めず、真っ直ぐ歩くことができなくなることがあります。

内耳炎は中耳炎から引き起こすこともあります。



白猫の難聴

遺伝的疾患として目まいを起こすことがあります。

被毛の白い猫に観察される疾患です。

生まれつき難聴の猫は正常な運動や行動ができ、難聴に気付かないことがあります。

猫に気づかれないように、耳の後ろで音を立てても気にする様子がない場合や、耳がピクリとも動かないときは難聴と判断します。

難聴の猫の耳はきれいで鼓膜も正常です。



耳のケアーの仕方

脱脂綿などを指に巻き、耳の汚れを拭いてあげます。

耳穴のお掃除で綿棒は絶対に使用してはいけません。

猫の耳の穴は細く、綿棒入れることで耳を傷つけてしまうことがあります。

また、耳の油は自然に外へ出てくるようになっていますので、綿棒を使うと汚れを押し込んでしまうことにもなります。



水をたくさん飲む猫の病気


猫が飲水から離れず音を立てて飲んでいる場合ただごとではありません。

猫は本来あまり水を飲まなくても平気な動物です。

自分の猫が水を飲んでいるところを余り見かけないと思います。

普段猫は用意した水を勢いよく飲む事はありません。

ある日、用意した猫用の水が半日でなくなっていると、猫がこぼしてしまったのかと思うかも知れません。

ですが、それが毎日続けばおかしいと気づいたとき、もしかしたら病気の予兆だと気付いてください。

トイレでおしっこの塊の数が急に増えたと同時に、水の減りが多くなったことなど、飼い主は猫に何か異常が起こっていると気付くことがとても大切です。

急な変化はわかりやすいものです。

しかし、この変化が少しずつゆっくり起きていると、なかなか気付けないものです。

慢性腎不全になっている猫に症状が見られ、時間をかけてゆっくり進行しますので、気付かないうちに病気が進行していることがあります。

甲状腺機能亢進症は病気に侵されていても元気に見えますので、異常に気づくのは難しいかもしれません。

しかし、これらの病気は初期に気づけば気づくほど猫にとって有益な治療が開始できます。



猫の多渇症と多尿症の関係のメカニズムは、喉が乾いて沢山の水を飲むことで尿が大量に出ることで多渇症が起きます。

体の水分を尿として絞り出してしまい、尿量が増えて脱水してしまうことで、水を沢山飲む多尿症に別けられます。

このような体の変化に異常起こす原因となるのが内分泌障害です。

内部分泌では様々なホルモンが作られます。

このホルモンの分泌異常によって内分泌疾患は引き起こされます。

下垂体は様々な刺激ホルモンの分泌と調整を行っています。

分泌されるホルモンには甲状腺刺激ホルモン、成長ホルモン、性腺ホルモンの卵胞刺激ホルモン、黄体刺激ホルモンなどがあります。



成長ホルモン分泌下垂体腫瘍、末端巨大症

下垂体の成長ホルモン分泌が過剰になり、末端巨大症を発生します。

変化として、顔つきと体の大きさに変化が見られます。

成長ホルモンによる結合組織の増殖が体を大きくし、体重増加が見られます。

インスリン抵抗性の糖尿病があります。

抗利尿ホルモンを分泌する神経性下垂体の不全により、尿崩症が起きます。



甲状腺機能亢進症

正常の甲状腺は触って確認することができないのですが、甲状腺機能亢進症の猫は、肥大した甲状腺を確認することができます。

甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンのチロキシンT4とT3の分泌過剰が起こる、多臓器に障害を起こす病気です。

10歳を超えた猫に多く見られる病気です。

甲状腺ホルモンの働きですが、全身の熱生産、炭水化物、蛋白、脂肪代謝を調整しています。

甲状腺機能亢進症はエネルギーの代謝と熱生産が活発になりますので、猫の食欲が増加します。

この病気を発症した猫の食欲は旺盛で、普通だった頃の食事量では到底足りず、飼い主に頻繁に食事を要求します。

驚くほど食べますので便の量も増えて、消化しきれず下痢になることもあります。

この病気の怖いところは、食欲が旺盛であるのにもかかわらず、体重が減少していくことです。

また、体重の減少しているのにも関わらず活発に動きますので、歳の割には元気になったと誤解してしまうこともあるのがこの病気の特徴です。

非常に響く声で、うめくように鳴く様子も見られます。

エネルギーの代謝と熱生産が活発になりますので、興奮して落ち着きがなく、熟睡できないこともあります。

甲状腺ホルモンは利尿作用もあり、喉が渇き尿量も増えていき、体の水分が足りず、被毛はボサボサになっています。

心拍数の増加、高血圧も見られ、鬱血性心不全が発症することもあります。

診断は血液検査でホルモンの定量、チロキシンT4を行うことで、正常値より高い値の場合は甲状腺機能亢進症と判断します。

『治療』
甲状腺ホルモンの合成を阻害する薬剤の投与をします。



甲状腺癌

甲状腺機能亢進症が進行してしまうと甲状腺癌になる可能性が高くなります。



慢性腎不全

慢性腎不全は腎臓の機能が低下することにより、血液の中にある尿窒素を排尿しにくくなる状態を言います。

このため腎臓は尿量を増やして、尿窒素を排尿しようとします。

正常な猫の尿には、少ない量で沢山の尿窒素が含まれていますが、慢性腎不全の猫は、沢山の尿に少しの尿窒素しか作ることができないため多尿になります。

多尿になった猫は、必然的に大量の水を飲まなくてはいけなくなります。



糖尿病

糖尿病は膵臓のβ細胞が壊されて、インスリンの分泌が低下することによって起こります。

『インスリンの働き』
インスリンとは膵臓のβ細胞で作られるホルモンで、体内の細胞が血液のブドウ糖を取り込んで、エネルギーとして利用します。

インスリンの分泌が不足すると、細胞がブドウ糖を利用できなくなり、血中のブドウ糖濃度が上昇します。

高血糖と呼ばれる血糖値の上昇です。

この高血糖が持続することになると糖尿病の発症です。

糖尿病を治療しないでおくと、神経障害が現れます。

なぜなら血中の異常な濃度のブドウ糖が、神経細胞を障害するからです。

猫だと四肢の麻痺が起こり、手足の力がはらない状態になります。

中枢神経に異常をきたしているので、猫はまっすぐ歩こうとしているのですが、右回り、左回りしてしまうこともあります。

進行すると立つことが困難でトイレに行けず、尿失禁をするようにもなります。

視神経にも影響があり、目が見えなくなることもあります。

『治療』
インスリンを投与します。

『自宅でできる糖尿チェック』
糖尿を調べる試験紙を猫のトイレに置いてチェックをします。



慢性腎盂腎炎

腎盂や腎実質に感染を起こす、腎盂腎炎が繰り返し起こることで、腎臓が障害され腎不全となります。

『原因』
尿路感染を起こす細菌が、繰り返し腎盂に感染することが原因です。



神経性尿崩症

神経性尿崩症は、抗利尿ホルモンを放出する下垂体の障害によって発症します。
尿量を調整して、体の水分バランスを保つ抗利尿ホルモン分泌が低下してしまうため、非常に薄い尿を排尿します。

『原因』
中枢神経の炎症や腫瘍が原因です。



腎性尿崩症

腎臓が抗利尿ホルモンに反応しなくなり、尿を濃縮できないことで大量の薄い尿が出します。



食べるのが増えた猫の病気



食欲が旺盛と言うのは健康な証拠だと思いがちですが、ある日を境に食欲が旺盛になった場合、猫の出している病気のサインの可能性があります。

年齢を重ねた猫が今までとは明らかに違う食事に対する要求に飼い主を驚かせます。

いつもならキャットフードを5粒くらい残すのに、ある日から完食するだけでなく、おかわりを要求します。

飼い主はもの凄くお腹を空かせていたんだと思い、追加のキャットフードを与えます。

再度与えたキャットフードを完食したのに、またおかわりを欲しがる。

お腹を空かせた猫は、人間の食べ物にまで手を出すようになります。

このとき猫の性格が変わったんだと思い、飼い主は猫を叱るようになる場合があります。

ここで気付いて欲しいのが、性格が変わったのではなく何かの病気?

動物病院へ連れて行ってこの子の症状を伝えることが大切です。

また、これだけ沢山食べているのに、体重が増えるどころか痩せてきている場合は甲状腺亢進症です。



病気が完治した猫

病気をしていたとき、飼い主によって手厚い看護を受けた猫は病気が治った後も飼い主への忠誠心から、お腹が満腹でも与えられれば食べることがあります。

猫は飼い主を喜ばせたいという一心で、満腹でも食べ物を受け入れているのではないかと考えられます。



餓死を経験した猫

食べるものを満足に食べられなかった状態に置かれていた猫は、人間に保護されてキャットフードを与えられると、もの凄い勢いで食べ続けます。

これは私の体験なのですが、骨と皮だけの餓死状態の猫がいました。

いつ死んでもおかしくない状態でしたのでキャットフードを与えました。

そのとき食事を楽しむ食べ方ではなく、生死の中で沢山のキャットフードをできるだけ沢山、早く食べるような姿に衝撃的でした。

それから、半年ほどたって毎日食事が取れる環境にいるにも関わらず、食べる姿に変化はありませんでした。

さらに2年経つ今は、食べるスピードが少し落ち着いたように感じています。

生死を経験した猫だと、食事の変化に気付くことは困難かもしれませんが、飼い主が猫の成長を毎日見届けていると、僅かな変化に気付いてあげれるか思います。


沢山食べた食べ物は最終的に便になります。

消化が追いつかず便秘や様々な病気を併発させますので、早く気付いてあげることが大切です。



よく食べること以外の観察ポイント

・以前より動くようになった
・高齢猫なのに活発になった
・あまり眠らない
・声変わりをした
・鳴き方が激しくなった
・顔つきが怖くなった
・下痢
・嘔吐
・被毛が硬くなった
・体重が急に増えた
・あまり動かなくなった
・便が出ていない
・排尿、排便が多くなった
・人の手からしか食べなくなった
・見ていてあげないと食べなくなった


それぞれの原因について見ていきましょう。



甲状腺機能亢進症

甲状腺の働きが亢進することで、過食だけでなく活発な運動をするようになります。

心悸亢進が認められ、心拍数が1分間に230~240回と多く、高血圧が確認できます。

また、下痢が起こすと同時に腎機能の低下があります。

心肥大を併用することも認められています。

被毛は乾燥してパサパサになり、顔つきが変わっていき、元気もなくなり、食欲不振、衰弱していきます。

甲状腺機能亢進症の1~2%くらいは甲状腺癌の報告があります。


『治療』
甲状腺ホルモンの合成阻害薬を投与します。



副腎皮質機能亢進症

中年から高齢猫に認められ、糖尿病の併発があります。

皮膚が脆くなる症状があります。


『治療』
外科的手術を行います。



巨大結腸

巨大結腸は結腸の機能障害による便秘のことです。

腸は便の大きさに合わせてある程度の拡張できますが、巨大結腸の怖い症状として、数日分の便が溜まっても猫には便意がほとんどありません。

猫は便意がないので更に食べ続けてしまい、嘔吐、食欲不振になり脱水してしまいます。


『治療』
キャットフードの変更と内服薬を使います。

浣腸はあまり効果がないことがありますので、全身麻酔をして肛門に指を入れ、便を砕いて掻き出します。

肛門から掻き出せない場合は、外科的に結腸の切除手術を行います。



過食

餓死を経験した猫の過食は凄まじいものがあります。

生後3カ月の猫で、1日30~40グラム体重が増加することがあります。

普通の子猫だと1日の体重増加は20gが上限で、それ以上は異常事態です。

獣医師が処方する処方食と、体重が落ち着くまで食べる量を調整して与えていくことが大切です。



精神的過食

病気で食欲が無い猫を見て、飼い主は手の平にキャットフードのせて食べさせていた猫がいます。

猫は病気から回復しても、飼い主の手からでしか食べず、キャットフードを猫の食器に入れておいても食べません。

猫はお腹が空いてなくても飼い主の差し出すキャットフードを食べるこれらの状態を精神的過食と言います。

猫が闘病中、少しでも食べ物を口にした猫を褒めると、喜んだ飼い主の心は猫に伝わっています。

自分が食べれば飼い主が喜ぶことを覚えた猫は、自分の体を犠牲にしてでも食べるのです。

しかし、過食は次々と病気を併発させます。

精神的な繋がりは食べることではなく、遊ぶことで持てるように考えていきましょう。


『対策』
飼い主と猫の非常に密接な関係がよく見られます。

このような猫は留守番や預けることができません。

それでは飼い主が病気や事故などにあったとき、猫は飼い主がいないと生きていけなくなってしまいます。

いろんな事態を想定して、家族や親しい友人にも慣れていけるよう、日ごろから少しずつ練習するようにしていきましょう。



痩せる猫の病気


痩せると言うとダイエットという良いイメージを持つ人もいるかもしれません。

猫でも肥満症や過体重の猫が食事制限をして痩せるのであれば良いのですが、それ以外の理由で痩せるのであれば、何か健康上の問題があると考えられます。

特に成長期の猫に体重の減少が見られた場合は、大きな問題を含んでいます。



成長期の猫が痩せるのは危険

猫は約100gで生まれ、その後に1日、10~20g増えていきます。

仮に1日15g増えるとすると、1ヵ月で約550g、2ヶ月で約1Kg、4ヶ月で約2Kgとなります。

4ヶ月で2Kg以上の体重があれば、オス・メスともに健康に育った証拠です。

成長は1年続きます。

しかし、成長期に体重が増えない、逆に減ってしまうのは問題です。

栄養が不足しているキャットフードを成長期に与えていると体重は増えません。

成長期の猫に必要な栄養は高く、特に良質な動物性タンパク質を多く含んだ食事が必要です。

カロリーを脂肪や良質でないタンパク質、植物性タンパク質などで添加物の入ったキャットフードでは成長が困難です。

また確かな品質のキャットフードを食べているにもかかわらず、体重の減少が認められるなら、猫自身に重い病状がある可能性があります。



急激な体重減少

急激な体重減少は、脱水を起こしている可能性がとても高いです。

もし1日で100g体重が落ちれば、100ccの水分が脱水していることになります。

老齢期の慢性腎不全で、多飲多尿をしている猫が、一日水を飲まないと痩せたように見えます。



脱水

脱水による体重減少は急速に起こります。

適正体重の3%を超えれば重大な脱水と考えなければいけません。

腎不全、多渇多尿のある場合は、直ちに治療が必要になります。

脱水を起こしている猫の口腔内の粘膜は乾いています。

皮膚がゴワゴワに弾力がなくなり、柔らかい毛が水分の抜けた毛に変わり、ツヤや潤いがなくなります。。

目が落ち窪んだようになり、顔がとんがった印象に変わります


『脱水の見つけ方』
首のあたりの皮膚を親指と人差し指で軽くつまみ離します。

正常では皮膚が戻ります。

脱水していると、しばらくつまんだ形のままになっています。


ゆっくり進む体重の減少は、痩せていることが非常にわかりにくいです。

毎日一緒に暮らしていると、日々のわずかな変化には気づきにくいものです。

そこで猫の体重を定期的に測る習慣をつけておきましょう。

年に1回の定期的なワクチン接種時には、病院で測り記録しておきましょう。

自宅でも1ヵ月に1回くらいはわかるようにしましょう。

痩せてしまうのは、体が十分な栄養を吸収できない状態であることが言えます。

内分泌疾患、ホルモンの異常やがん、腫瘍がある場合、また妊娠中の母猫にも認められます。

『治療』
水分の不足を補うための補益。

水分補給



腎不全

食欲不振、多飲多尿が起こることにより、体重が減少するのが腎不全の特徴です。

腎不全の状態を血液検査、尿検査で調べます。

腎不全は腎臓のほぼ75%のネフロンが機能していない状態にあります。

血液検査では血中尿素窒素、血清クレアチニンの値を腎機能の指標とするのが一般的です。

加えて血清リン、血清カルシウムを行います。

高リン酸は、ほぼ85%のネフロンが機能しなくなったときに現れます。


『尿検査』
比重の測定で、腎臓の濃縮能を評価します。

蛋白尿は糸球体腎炎を起こしています。

血糖値が正常な猫の尿糖出現は、腎性糖尿を示します。


『観察ポイント』
飲料水と排尿量
猫の1日の飲む量を測り具体的に記録します。

猫の水分必要量を把握します。

もし急に水が足りなくなったら、飲水量が増えたことに気づきます。

排尿はおしっこの砂の固まりが増えていることや、1つの固まりの大きさがいつもより大きくなったら、尿量の増加になります。

トイレへ行く頻度が多くなり、飼い主はトイレ掃除の必要が増えたことに気づきます。

尿毒症になると猫は尿に似た独自の口臭を発するようになります。


『腎不全の急性と慢性』

急性腎不全を起こす原因
・腎毒性を持つ物質との接触
・エチレングリコール
・アミノグリコシド系抗生物質
・重金属など
・尿道閉鎖による尿毒症
・急性腎盂腎炎
・食欲の低下と数週間にわたり体重減少
・細菌尿
・血尿蛋白尿

慢性腎不全
高齢猫によく見られる病気です。



甲状腺機能亢進症

元気でよく食べていても、痩せていることが特徴です。

甲状腺ホルモンの定量でT4チロキシン値は上昇しています。

内分泌疾患である甲状腺機能亢進症はチロキシンが過剰に分泌される状態です。

甲状腺は二葉からなります。

気管輪に接しているのですが、正常な猫では触診ができません。

甲状腺機能亢進症の猫では甲状腺の肥大により、甲状腺を触診できる場合があります。

10歳以上の高齢猫に次の症状が出てきます。

『症状』
・高齢猫なのに活発に行く
・高齢猫なのに鳴き声が大きくなってきた。
・よく食べているのに痩せてきている。
・下痢をしている。
・多飲多尿が見られる。

甲状腺機能亢進症の猫には心悸亢進、高血圧が認められます。

『治療』
甲状腺ホルモンの合成阻害薬を投与します。



糖尿病

糖尿病はβ細胞が進行性に壊されてしまうため、血糖感知してインスリンの分泌をすることができなくなる状態です。


『二次性糖尿病』
二次性糖尿病は副腎皮質機能亢進症やグルココルチコイドなどの要因によって発症します。


『単独性糖尿病糖尿病』
単独性糖尿病では尿酸があり、血液中のグルコース濃度が腎尿細管の再吸収能力を超えた場合に起こります。

浸透圧利尿によって尿量が増加します。

排尿が増加することで、血液の量が減って濃度が濃くなるので水が必要となり、喉が渇き続ける状態でいます。

この多尿タ渇が糖尿の主な症状です。

また、多食もよく見られますが、炭水化物の代謝障害末梢組織の脂肪酸酸化の状態で体重が減少して痩せていきます。


『尿検査』
尿糖、ケトン尿。


『血液検査』
血中グルコース濃度200~300mg



腫瘍

猫は10歳を過ぎると癌の発生率が高くなります。

猫の癌は体重減少、食欲不振、沈鬱、元気の消失、下痢、嘔吐、体から見える腫瘍など猫の様子に何らかの異常が認められます。

癌のできる部位も、症状も様々ですが、高齢猫で今までと違う様子を感じたら、病院へ行き診断を受けてください。

猫の癌は進行が早く、悪性の場合が多く、早期の発見がとても大切になります。

猫が腫瘍や癌に侵されると、栄養失調を起こします。

口腔や食道にできる癌では、物理的に食事をとることが不可能になります。

消化管にできる癌では、消化不良、下痢、消化吸収が十分にできず、食べたものが栄養になりません。

つまり癌になると栄養失調により体の筋肉と脂肪も落ち、病的な痩せ方をします。

猫によく見られる腫瘍として、メラノーマ、扁平上皮癌、乳腺腫瘍、肺がん、リンパ肉腫などがあります。


『化学療法(抗がん剤治療)の副作用』
抗がん剤は腫瘍の治療するのですが、その副作用は猫に食欲不振を招き、体重減少を起こします。


『血液毒性』
骨髄抑制による末梢血の好中球減少と血小板減少を起こします。

好中球減少は、細菌感染を容易にし、敗血症を引き起こします。

発熱、食欲不振、悪心が起こります。


『消化管の毒性』
悪心、食欲不振、下痢を引き起こします。

抗がん剤の治療中に副作用が出た場合は、薬剤の投与を中止して、支持療法を行います。

ウィルスの感染による発熱は、食欲不振を招き同時に体力を消耗させます。

ウィルスによる免疫抑制が起こると、食欲不振に続く栄養不良を起こします。

成長期の猫がウィルスに感染した場合、発熱による食欲不振で体重が増えず成長しません。

それどころか減少してしまうこともあり、この状態は非常に危険です。



口腔内疾患

口腔内の痛みに耐えられず、食欲不振を起こします。

しかし猫は口が痛いと言いえません。

そこで飼い主は猫の行動、様子から口の痛みがあると気付いてあげなくてはいけません。

食欲不振が徐々に出てくると、ご飯の前で考え込む姿を見せます。

いつものように遊ばなくなったり、機嫌が悪くなります。

口が痛いため毛づくろいにができなくなり、抜け落ちた毛が絡まってボサボサになります。

また、毛づくろいする場合、口臭と同じ匂いが体に付いて、体全体が臭くなります。

飼い主は、よく舐める猫の口臭が気になるようになります。

顎をがくがくさせるのも特徴です。

前足で口周りを何度も引っかいて、くっついたものを取ろうとするような行動をします。

また同時に頭や首を振ったりするような行動も見られます。

痛みが限界に達すると、食事はもちろん、水も飲めなくなります。

キャットフードに見向きもしなくなり、痩せて餓死していきます。


『口腔内の検査』
唇をめくって歯と歯肉の様子を見ます。

猫の歯は上下で30分本あります。

健康な歯は固いエナメル質に覆われ、白く歯肉はピンク色です。
(色素沈着で黒っぽい猫もいます)


『歯垢』
歯の表面に黄色く見える歯垢が蓄積されていきます。

口腔内細菌を主体に形成されています。


『歯石』
歯石は歯垢に蓄積した細菌の固まりで、黄色から茶色に近い色です。

歯石は歯肉を後退させ、歯の根元を露わにし、歯肉の炎症を助長します。



歯肉の炎症

歯に接した歯肉が赤くなってきます。

進行すると腫れていきます。

触ると出血する状態から、自然に出血するようになります。

歯肉炎が進行すれば歯周ポケットができるため、細菌やキャットフードの残骸がポケットに入り込み、歯肉炎を更に悪化させます

『治療』
できることなら歯肉炎が起こる前に歯石の除去を行うのが良いです。

また歯肉炎がある場合は、なるべく早いうちに歯石の除去を行うことができれば、歯を守ることができます。



外歯根吸収

歯のセメント質、エナメル質の接合部が歯骨細胞により吸収されます。

こうして歯根部が侵食されていきます。

露出された牙は敏感になり、水がしみるようになります。

痛みが酷く水も飲めず、食欲不振となり、脱水症状を起こします。

『治療』
抜歯を行います。



猫カリシウィルス感染

舌と口、口蓋に潰瘍性口内炎を形成します。

血が混じった生臭いヨダレを出し、非常に激しい痛みで食欲不振になります。


『口腔の外傷』
事故で下顎の骨が折れると食べることができません。

『治療』
外科手術。



口腔の腫瘍

好酸球性肉芽種は潰瘍が形成されが起こります。

扁平上皮がんは舌下分、歯肉にでき治療は困難です。



歩くのが辛い猫の病気


足を骨折や関節を痛めてしまった場合、その患部をかばうように歩くのですが、猫は1本の足が怪我しても3本の足でバランスを取りながら歩くので、どの足が痛いのかわからないことがあります。

指先が内側に丸くなったようになる、ナックリングしていれば神経の麻痺が起こっていますので、正常な方向はできません。



外傷によるショック症状

事故や高所などから外傷を受け、重度の損傷を負った場合、命に関わってきます。

激しい出血が起きれば急激な血圧の低下が起こり、ショック症状に陥ることがあります。

口腔粘膜は白くなり、脈拍が早くなります。

ショック症状の場合は、緊急に処置を行う必要があります。

全身症状の急激な悪化と共に、悲鳴に伴う後股の麻痺は、命に関わる重症な事態です。

被毛の長い猫が、指先にある肉球の毛が伸びてしまうことで、足を滑らすことがあります。

活発に走り回る子猫は、絨毯に爪を引っかけてしまうことが度々あります。

また、遊んでいるときに、腕を何かに巻きつけてしまい、パニックになって自分の肩を痛めてしまうことがあります。

歩行が困難な状態をする原因は多岐に渡ります。



歩行以外の原因チェック

・歩行が困難になったのは突然起きたのか
・慢性的に変化が起こってきていたのか
・全身の症状が悪くなっている
・元気がない
・食欲がない
・ショック症状がある
・沈鬱がある
・食べているものに特徴がある
・外出しない
・喧嘩してきた
・痩せてきている

これらの症状が以下の原因で起きてきます。



骨折

手足の骨折や骨盤骨折、もしくは脊髄の損傷を起こしている。

整復手術、脊髄の損傷の治療はできません。



外傷

怪我、火傷をおうことで、筋肉の損傷、皮膚の障害で痛みがあります。



動脈血栓症

急性の後股不全麻痺に伴う激痛症状が特徴で、突然の血流障害があります。

猫は悲鳴をあげたり、吐き気が見られる時もあります。

猫を診察すると、大腿動脈拍動の減少が消失、足の冷感、血液を採取できない、感覚喪失が見られます。



ビタミンB1欠乏症

ビタミンB1は水溶性ビタミンです。

魚も主食にした猫に高い確率で見られる病気です。

運動失調が現れ、歩行運動失調、旋回運動の症状があります。

『治療』
ビタミンB1を投与します。



低カリウム結晶

低カリウム結晶の猫は頭を上げていることができず、うなだれたように顎が下がってしまいます。

ヨロヨロとふらつきのある歩行が見られます。

猫の腎機能障害では、尿中にカリウム排泄量が増加し、血中のカリウム量が減少してしまいます。

『治療』
カリウムを投与します。



被毛の長い猫

肉球の間に毛が生えると肉球が毛で覆われてしまい、猫毛のスリッパを履いてるのと同じようになります。

走ったり飛んだりすることで滑ってしまい、足を痛めることがあります。

足を痛めた経験から運動そのものを嫌がるようになってしまいます。

『予防』
肉球の間の毛を短く切り、肉球が地面にきちんとつくような状態を常に手入れをすることです。



肺ガン

肺ガンの指に転移して、爪の周囲も炎症を起こして痛みを伴う病変があります。



指の癌

指に腺ガンや軟部組織肉腫に侵されると、壊死、潰瘍が形成され痛みを引き起こします。



骨肉腫

後股、頭蓋骨に起こりやすい肉腫です。

老齢猫に発生が多く報告されています。

悪化が進むと骨折を起こすことがあります。

『治療』
外科手術を行います。



肥大性骨症

骨膜の増殖を起こり、肥厚股、腫れた股が見られます。

『治療』
外科手術を行います。



肉球に爪が食い込む

老齢猫は爪が肉球に刺さってしまうことがあります。

その痛みから歩行が困難になります。

『予防』
老齢猫は自分の爪の手入れができなくなってきますので、飼い主が爪を定期的に手入れをしてあげてください。



爪を怪我する

ループ状の絨毯に爪を引っかけてしまい、爪を折ることがあります。

出血も起こりますが、神経障害により、猫は痛みで足を地面になるべくつけないように歩きます。



中枢神経障害

中枢の運動神経に障害が起こると運動機能が障害されます。



内耳炎

内耳の平衡感覚を司る器官が侵されると、運動障害や回転運動が起こります。



軟骨の形成不全性

耳折れとも呼ばれるスコティッシュフィールドは、遺伝的な軟骨形成不全により、耳が正常な状態を留めることができません。

人間でも発生するこの病気は残念ながら治療方法はありません

軟骨の形成不全は耳だけに限らず、四肢の軟骨、気管軟骨にもその障害が及びます。

軟骨は骨と骨との間のクッションのような役目をしますが、軟骨形成不全ではそのクッションが役に立ちません。

猫は痛みから歩くことを避けるようになり、歩く時はまるでロボットのようなぎこちない歩き方をします。



動かない猫の病気


ウィルス・細菌感染

ウィルスや細菌感染すると、猫は熱が出て体を丸くして動かなくなります。

動かないと言う行動は、体力の温存と回復するのを持つ猫の治癒行動と言えます。



貧血

貧血がある場合も猫はあまり動きません。

貧血は赤血球が正常より少ない状態で起きます。

赤血球の役割は、酸素を体に運ぶと言う重要な働きがあります。

ですので貧血になると、体に運ばれる酸素の量が足りなくなります。

生きる上で大切な脳や内臓には酸素を送り続けなければなりません。

運動するにも筋肉に十分な酸素の供給が必要です。

しかし、貧血している猫は必要以上の運動はしません。

猫は体力を消費しないよう本能で動きを止め、なるべく酸素を使わないようしています。

また、動くと痛い腹痛など内臓痛がある時も、猫は動かずじっとしています。

猫同士の喧嘩による、皮下膿瘍がある猫も、動かずじっとしています。



脱水

脱水している猫も動きません。

脱水は特に老齢の慢性腎不全になっている猫に注意が必要です。

慢性腎不全以外にも脱水する原因は、嘔吐や下痢など様々あります。

いずれにせよ、脱水に対する治療をすると、脱水が補正されたその直後から動くようになります。



心不全

心不全の猫も動きが悪くなります。

動機、息切れの症状を明確に見ることができませんが、心不全の治療を始めると、動かなかった猫が動くようになります。

慢性腎不全や癌、慢性胃炎などの病気の猫が今まで動いていたのに動けない状態になったとき病気の悪化と捉えます。

病気の悪化で動かなくなった猫は、死の目前と言うことになります。



病気でなくても動かない猫

病気でなくても動かない猫がいます。

病院の診察台で体を硬くして動かない猫もいます。

引っ越し先の新しい部屋で、ベッドの下に潜って1日中動かない猫もいます。

来客があると、部屋の角に隠れて何時間でも動かない猫も珍しくありません。

猫の本能で、警戒心は動かないことで猫自身を守っているのです。



動かない猫の観察ポイント

・部屋の角でうずくまっている
・動きに素早さがない
・寝てばかりいる
・ジャンプをするのにためらう
・体を触ることを嫌がる
・体を触るとゴワゴワした感じになっている
・トイレに行くことができない

以上の行為が確認できたら、直ちに獣医師に猫の状態を話して診断してください。



若い猫でおもちゃで遊ばせていたところ、2~3分もしない内に横になって、口を開けて呼吸する猫には心疾患の疑いがあります。

これは動かないと言うより、動けないと言う方が正しいかもしれません。

猫の心疾患は運動に支障が出たことで発見されます。

本来猫は自分の背の高さの何倍もの距離をジャンプできる能力があります。

健康な猫は明け方や夜に猛スピードで部屋中を駆け回り、登れるところはどこへでも駆け上がるような、猫の狂気の30分と呼ばれる運動します。

これは健康であれば10歳を過ぎた高齢猫も、15歳の猫にも見られます。

若い猫で運動があまり見られない場合は、心臓の疾患を疑う必要があります。



貧血

貧血のある猫は動かなくなります。

貧血が何度も起きる慢性的なものであれば、食欲はあるけれどもあまり駆け回らない、寝てばかりいるようになります。

猫の歯肉は本来ピンク色ですが、白っぽくなっていたら貧血は相当進んでいると見てください。

貧血の具合を客観的に見る上で、血液検査はとても有効です。

血液検査において、貧血の度合いをヘマトクリット値で表すことができます。

ヘマトクリット値は血液全体に埋める赤血球の量5%で表すものです。

正常値は30%以上です。

それ以下は貧血と言うことになります。

ヘマトクリット値が10%を下回れば、動く事はもちろん食べることもできなくなります。

急性の貧血は事故による出血やがん組織の大きな血管の破れ等によって急激に起こる状態です。

外科手術による血管の結合が不完全な場合にも貧血が起こることがあります。

生き物は血がなくなれば生きることができません。

急性の貧血は緊急な事態ですので、速やかな対応処置が必要になります。



貧血を起こす原因

『出血』
事故などによる外傷や裂傷により大量の出血がある場合、ショック症状を起こし死に至ることもあります。

内臓の腫瘍組織の血管が破れ、急激な出血が腹腔内に起こると、猫はショック症状を引き起こします。

『治療』
出血部位を止めること。

点滴、輸血を行います。



慢性的な貧血

慢性腎不全の猫は、腎機能の低下から造血ホルモンであるエリスロポエチンの生産がだんだんと悪くなっていきます。

エリスロポエチンは骨髄に作用して、赤血球の形成を命令するホルモンです。

このホルモンが少なくなると貧血が起きてしまいます。

『治療』
エリスロポエチンの投与。

ヘモバルトネラ感染では、赤血球に寄生しているヘモバルトネラが赤血球を壊し凍結させます。
同時に黄疸の症状が出ます。

『診断と治療』
赤血球に寄生しているヘモバルトネラを確認します。

内服薬により治療をします。



赤血球を作る場所が壊れてしまった場合

骨髄の造血機能が侵されると、血液が作れなくなります。

特に問題となる原因に、猫白血病ウィルス感染があります。

猫白血病ウィルスが骨髄に及ぶと、骨髄は新しい血液を作ることができなくなり、非再生性貧血を起こします。

抗生物質のクロラムフェニコールは、骨髄の造血を抑制して貧血を起こさせます。



化学物質が赤血球を破壊する場合

人間の解熱鎮痛剤薬は赤血球に損傷を起こします。

メトヘモグロビン血症と溶血性貧血を起こします。

ですので、人の風邪薬を猫に少量でも飲ませては絶対にいけません。

プロピレングリコールは猫に貧血起こします。



心疾患

心臓は体に血液を送るポンプの役割を持っています。

心臓の働きは体に十分な血液を休みなく送り出すことです。

しかし、心臓に疾患があれば、体に十分な血液を送り出すことができません。
猫の運動量は低下します。



左心室不全

心拍出量の低下が見られ、運動量が低下します。

左心室不全は、心拍出量の低下により運動時の疲れ、湿疹を起こします。

肺静脈高血圧は呼吸促迫、呼吸速拍、肺水腫を引き起こします。



体を掻く(かく)猫の病気


猫は首や耳あたりを掻いたと思えば、後ろ足で肩のあたりを力強く掻いて、ピッタと止めて何もなかったように振る舞いを見せることがあります。

その後に掻いたと思えば体を舐めるたりする仕草は、猫のセルフグルーミングしていると捉えて良いと思います。

1日に数回、体のどこかを掻く猫も、1日中掻く猫も、1日中掻くのを見かけない猫も、それは猫の個体差として捉えて良いのですが、その掻き方がいつもと違っている時は、皮膚に何らかのトラブルが起こっているかも知れないと考えることがとても大事です。



猫が掻いている皮膚の観察

皮膚に赤いポツポツが出ていて、その部分が少し盛り上がっていたり、カサカサした角質やかさぶたなどの症状が見れた場合、猫に比較的よく見られる皮膚炎です。

栗粒性皮膚炎と診断されるこの炎症は、ノミに咬まれた時の咬傷過敏症やアトピー、アレルギーなどが原因で起こります。

猫の痒みに対する感受性も個人差があり、痒さに対して感受性の高い猫の場合は、皮膚を掻き壊し出血していても掻き続ける猫は珍しくはありません。

例えば食器洗剤やシャンプーなどが皮膚について、かぶれを引き起こし、搔きむしる猫もいます。

病院で治療をするときですが、接触したものを特定し、それを猫の環境から排除しないと、皮膚炎が繰り返されてしまいますので、原因を突き止めることは大切です。

猫は手足以外にも、舌と歯を使って体中を掻くことができますので、皮膚の炎症はできるだけ早く見つけて治療しなくてはなりません。

なぜなら掻き壊してしまうと、元の病変と原因がわからなくなり、爪や舌で舐め咬むことによる細菌の二次感染を起こしてしまいます。

こうなると完治までに時間も手間もかかってしまいます。

飼い主が猫のグルーミングの最中に見つけやすいのが、毛が少し薄くなってる皮膚の表面が、カサカサしたフケが出ている箇所です。

猫はあまり気にしていないことも多いですが、このカサカサした白いフケが飼い主に感染してしまう病原性である真菌(皮膚糸状細菌)のこともありますので、発見したら獣医の診断を受けてください。



皮下膿症

皮膚の下に膿が溜まる皮下膿症は、炎症が起こり痛みが出てきます。

次に皮膚の壊死が始まると、その部分の毛が抜け落ちて皮膚の色が紫色に変わっていきます。

次に皮膚が裂けて黄色い膿が出てきます。

皮下膿症は、猫同士の喧嘩傷が原因で起こります。

膿が溜まり始めるまで少なくとも数日経過していますので、飼い主はドロドロの膿が出てビックリしてしまうのですが、膿が出てしまうと猫は状態が良くなります。

膿が溜まっている状態の方が具合が悪いので、二次感染がないよう獣医師に見て頂いて、治療をしてください。



猫のブラッシングが早期発見

猫の体をブラッシングしてあげると、皮膚の異常にいち早く気付くことができます。

皮膚がカサカサしていればフケが出ます。

かさぶたや吹き出物があれば凹凸がありますので、ブラッシングしていると違和感がありますので気付きます。

猫同士の喧嘩で爪によりできたひっかけ傷に触れれば、猫は嫌がったり、怒ったりします。

傷を負ってしまったときは、早め目に抗生物質で治療できれば、皮下膿症にならずに済むこともあります。

自分の猫が喧嘩してしまう環境にいる場合、体をよく触る習慣を付けて、猫に異常はないかを確認してあげてください。

例外として皮膚病ではなく、痒みがないにも関わらず、ただ掻くことで皮膚が深くえぐれてしまう猫もいます。

掻くと言う行為が、かゆみや違和感といった原因以外にも起こることを知る必要があります。

猫のセルフグルーミングは一体何のために行われているのか、様々な理由が上げられていますが、ハッキリした答えはまだ出ていません。

ですので、自分の体を傷つけてまで掻き続ける猫の治療には、通常の炎症止めや抗生物質で改善されることはなく、猫の精神科としての治療が必要になります。



アトピー

アトピーは痒みを伴う発疹が繰り返しできる皮膚病です。

アレルギーの中ではじんましんのような即時に症状が出る1型アレルギーに分類されます。

アトピー性皮膚炎は肥満細胞の表面に存在する、免疫グロブリンの1つIgE抗体が抗原と結びつき、抗原抗体反応を起こすことで発症します。

このIgE抗体を作りやすい体質の猫が、アトピー性皮膚炎を起こすことがわかっています。

季節によってアトピー性皮膚炎を起こす猫も多くいますが、全く季節に関係なく発症する猫もいます。

アレルゲンは特定できませんが、ダニやハウスダストなどのが原因だと考えられると思います。

アトピーが原因の栗粒性皮膚炎はよく見られる皮膚病です。

好酸球性芽種も起こりうる皮膚病です。

アトピー体質の猫は黄色ブドウ球菌の感染も起こしやすい傾向にあります。

掻き傷からの二次的な細菌感染を起こすため、抗生物質の投与が必要になります。

また、目の上から耳の付け根など、顔面に痒みを伴う発疹が出ることがあり、対称性貧毛症も見られます。

『治療』
抗炎症作用を持つ薬剤の投与します。



食事アレルギー性皮膚炎

皮膚炎は栗粒性皮膚炎を始め、好酸球性肉芽腫、顔面に痒みを伴う発疹、対称性貧毛が見られます。

食事アレルギーの猫には獣医師の処方する、低アレルゲン食を与え、食べている期間に皮膚疾患が消えれば、食事アレルギーの疑いと言うことで、処方食を食べつつ観察していきます。



ノミアレルギー

ノミアレルギーはノミに咬まれたことによって、ノミの唾液が体内に入ることでアレルギーが発症します。

ただ、ノミに咬まれたり寄生されたからと言って、全ての猫がノミアレルギーを発症するわけではありません。

ノミに対して過敏症の猫は、痒みを伴う赤く盛り上がった皮膚炎を起こします。
しっぽの付け根から背中にかけて、ノミアレルギー性皮膚炎が多く見られます。

『治療』
抗炎症作用のある薬を投与します。

そしてもっとも大事な事は、体についてるノミ駆除とノミ寄生の予防です。

獣医師の処方するノミ駆虫剤は猫に安全かつ、ノミ以外の寄生虫にも効果がありますので、愛猫を守るためにも定期的に投与してください。



スタットテイル

猫の尾から背中に沿った尾脂腺、アポクリン線の分泌過多により起こる脂漏性皮膚病気です。

背の後半からシッポににかけて、ワックスをつけたようなべたつきが見られ、被毛が固まった状態になります。

そこに細菌感染が起こると、皮膚が化膿して痛みを伴います。

『治療』
患部を薬用殺菌効果のあるシャンプーで洗います。



皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌症は皮膚の表面角化層や爪、被毛に発症する病気です。

人間に感染する糸状菌は、人間に痒みを伴う皮膚炎を起こします。

症状として円形脱毛やカサカサしたフケ、進行すると体の至るところに円形脱毛ができ、大きな円形脱毛となります。

痒みに関しては症状が出る猫もいれば、痒みが出ない猫もいます。

症状として栗粒性皮膚炎、爪の変形、爪が割れるなどの症状が見られます。

『検査』
ウッドランプでフケや被毛の発光を見て確認します。

皮膚のフケや被毛を検査して真菌培養します。

皮膚糸状菌症は人間に感染しますので、的確に診断する事は非常に重要です。

『治療』
被毛を短くして薬用シャンプーで洗って糸状菌を進行させないことが重要です。

抗真菌剤の投与を行います。



毛ジラミ

被毛に真っ白なフケのようなのが毛ジラミです。

『治療』
フリーコームで毛をスクと毛ジラミが取れますが、毛ジラミの卵は取り切ることはできません。



薬疹(やくしん)

薬疹は薬に対する痒みを伴う皮膚炎です。

薬剤を投薬した後、皮膚炎が起きた場合は投薬を止めて、薬剤を処方した獣医師に報告してください。



真菌性皮膚炎

被毛、皮膚、爪に痒みがある猫もいれば、痒みがない猫もいます。



耳ヒゼンダニ

耳の中から真っ黒な耳アカが耳ヒゼンダニです。

耳アカを顕微鏡で見ると、耳ヒゼンダニを確認できます。

猫はひっきりなしに耳を激しく掻きます。

耳の後ろの毛が抜け落ち、皮膚から血が出るまで掻くことがあります。

時には痒みに耐えられなくて、頭を激しく降る様子も見られます。

『治療』
耳ヒゼンダニに効果のあるノミ駆除薬を投与して治療します。



接触性かぶれ

家庭にあるシャンプーや洗剤などが体に付いてしまうと、猫はその部分を激しく描いて、脱毛と皮膚炎を起こすことがあります。

『治療』
幹部を含め体をよく洗います。

原因として考えられる物は、猫の手の届かない場所に置きましょう。

果物のフルーツ酸が猫の皮膚に塗布されることで、かぶれを引き起こすことがあります。

抗炎症作用をのある薬を投薬します。



アクネ

顎に黒い汚れのような小さいツブツブがアクネです。

掻く猫と掻かない猫がいます。

『症状』
顎に付着しているアクネが細菌感染を起こすと、顎が赤く腫れ、熱を持ったようになり、膨れてしまうことがあります。

痒みに敏感な猫は掻きむしって出血してしまうことがあります。

『治療』
ノミ取りクシでブラッシングをして、薬用シャンプーで洗います。

猫に安全な消毒薬で消毒します。

抗生物質を投与します。

アクネは再発することがとても多い病気です。



ボックスウィルス感染症

ボックスウィルス感染による皮膚炎から進行すると、顔面や四肢に潰瘍性が発症します。

痒みを伴い、水泡ができて破裂すると潰瘍化します。


『治療』
傷口の消毒と抗生物質の投与を行います。